...果して唯文壇の劣敗者のみの問題に過ぎないのだらうか...
石川啄木 「硝子窓」
...劣敗者の心を筆にし口にして僅かに慰めてゐる臆病者...
石川啄木 「弓町より」
...劣敗者の心を筆にし口にしてわずかに慰めている臆病者...
石川啄木 「弓町より」
...義雄の所謂刹那の生氣を離れ行く劣敗者の周圍に集る虚無の死の如く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...自分も亦おのづからそんな劣敗者であるからのけちな思ひ附きではないか知らんと反省する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...其都市の劣敗者――というのが悪るければ弱者――が毎日電車に乗って市の重大なる財源の供給者となっている...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...かかる徒輩(とはい)はいわゆる人生の劣敗者...
大隈重信 「青年の天下」
...劣敗者となるのは自分が弱いからである...
大隈重信 「青年の天下」
...必ず劣敗者のみっともない泣き言がつきものだから厭(いや)になる...
高見順 「如何なる星の下に」
...特に「劣敗者のみっともない泣き言」そのものが多いのだから...
高見順 「如何なる星の下に」
...最劣敗者とでもいうようなところだ...
太宰治 「鉄面皮」
...自業自得の愚をくりかへしつゝある劣敗者の一人...
種田山頭火 「行乞記」
...そして弱者劣敗者である彼等は私にまで挨拶した...
種田山頭火 「行乞記」
...思ひがけなく、東京の修君からたよりがあつた、彼も私とおなじく落伍者、劣敗者の一人だ、そして妻君にこづかれてゐる良人だ、幸にして彼にはまだ多少の資産が残つてをり、孝行な息子があり、世才がないこともないので、東京で親子水入らずの、そして時々はうるさいこともある生活をつゞけてゐるらしい、修君よ、山の神にさわるなかれ、さわらぬ神にたたりなしといふではありませんか!夕、樹明君に招かれて宿直室へ出かける、うまい酒うまい飯だつた、そのまゝ泊る、あたゝかい寝床だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...競技の進行するに従って自然に優勝者と劣敗者の二つの群が出来てくる...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...そのうちの劣敗者に当る僕が...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...劣敗者の死屍(しかばね)は土足にかけられ...
夢野久作 「近世快人伝」
...無良心、無節操なる暴力とか策略とか言うものを平気で、巧みに行ない得る男性が勝者となり、支配者となりまして、そんな事の出来ない善人たちが、劣敗者、弱者となり下って行く証拠が、日常到る処に眼に余るほど満ち満ちているのであります...
夢野久作 「少女地獄」
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