...彼は直覚的烱眼に於ては乃父に劣る事遠く...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...若し夫(そ)れ識見を論ずれば必ずしも政治家に劣るものではない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...そしてそのかわりに生食には少し劣るが...
伊丹万作 「余裕のことなど」
...そういう仁義に欠ける者は猫畜生にも劣る”――というのがありますがな...
海野十三 「心臓盗難」
...無慚の汝いかにして彼より劣る軍將を混戰中に救ふべき! 150生ける間はトロイアと汝とのため盡したる彼の屍(から)より犬の群攘ふを汝敢てせず!故にリキエー軍勢の一人われに從はゞ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...然れども今日(こんにち)吾人の見る処芳幾は決して芳年に劣るものならず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これまた麒麟(きりん)老ゆるも駑馬(どば)に劣るに至らざる工夫(くふう)...
新渡戸稲造 「自警録」
...「こんな不健全な身体では智能発達の劣るのもむりはありませんですな...
本庄陸男 「白い壁」
...けれども人物画は少し劣るかと思はれる...
正岡子規 「病牀六尺」
...白馬の味太(いた)く劣る故殺さず...
南方熊楠 「十二支考」
...他の恋人たちの中に混じって劣る人ではないらしいこの人の顔を見たいものであると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この人は貴女(きじょ)に何ほども劣るところがない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どんなことも人より劣るような娘には育て上げなかったつもりなんですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...だがこれは稀(まれ)に見る天才の稀によりできない作に劣るだろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...支那のどの作品に劣るであろう...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...あるいは秋の中ごろに劣るという人があろうが...
柳田国男 「雪国の春」
...「恥を話さなければ理がとおらない、だから云いますけれどもね、店賃は溜めています、けれどもそれだからといって、書画にも劣るの、人間ではないとまで云われては、……皆さんの前ですが、私は、こんな、く……」「それは尤(もっと)も、源兵衛さんの泣く気持は尤も、わしもそれを云われた、わしは佃煮(つくだに)行商、けれども人でなしと佃煮とは無関係」「とにかくてんでんが、愚痴を並べていてもしょうがねえ」銀太が先住民の貫禄(かんろく)をみせてこう云った、「いったいどうして禿にあんな憑き物がしたか、病気の根はなにか、どうしたらあの気違え沙汰を治すことができるか、こいつをまず相談しようじゃあねえか」「お、お、お、お、ヘヒーヘヒー」奇声をあげたのは、吃(ども)りの勘次である、彼は鋸(のこぎり)の目立てを業とする、そして独身者の一人なのだが、本格的な吃りであって、いつか「明日はたぶん雨だろう」ということを、すっかり云うために二時間かかり、またそのために精力を使い果してひきつけたことがある...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...漢の創業四百年の基礎をたてた張子房(ちょうしぼう)にくらべても決して劣るものではない」司馬徽はそう云いながらおもむろに階をおりて一礼し...
吉川英治 「三国志」
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