...のみならず彼に彼女の持つてゐた青酸加里を一罎(ひとびん)渡し...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...何度一塊の青酸加里を嚥(の)もうとしたことだか知れなかった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...帰らぬ前に既に呼吸が止っているという彼の青酸加里(カリー)も...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...「今度こそはほんとに青酸加里を手に入れたよ...
小穴隆一 「二つの繪」
...青酸加里(せいさんかり)なんてやさしい殺(ころ)し方(かた)はしませんよ...
大下宇陀児 「金魚は死んでいた」
...曾婆加里(そばかり)というつわものをお召(め)しになって...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...曾婆加里(そばかり)はこれでいよいよ思いがかなったと言って大得意(だいとくい)になって喜びました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...記事には今の夥しい塩酸加里事業が...
薄田泣菫 「茶話」
...きっとブローミウム加里(カリ)の入(はい)った壜(びん)と...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...金硫黄(きんいおう)と塩酸加里(えんさんかり)で覘(ねら)われるところだったね」「そうだなあ...
田中貢太郎 「雨夜続志」
...背嚢に帰って苛性加里(かせいカリ)で清浄にされ...
寺田寅彦 「話の種」
...加里と窒素が多すぎて...
豊島与志雄 「塩花」
...何んとか加里と申すようにござりますが...
直木三十五 「南国太平記」
...肥料として加里や燐などを必要とする理由の一つとして...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...蒸溜水と苛性加里液と塩酸水溶液とで墨を磨り...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...青酸加里の自殺や犯罪は減ったわけでなく...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...あとは五人でハムマアだの検土杖(けんどじょう)だの試験紙(しけんし)だの塩化加里(えんかカリ)の瓶(びん)だの持(も)って学校を出るときの愉快(ゆかい)さは何とも云(い)われなかった...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...軽部は私が試験管の中のクロム酸加里がこぼれたかどうかと見ている間...
横光利一 「機械」
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