...加之(しかのみならず)...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...加之、曾つて一度びはあだかも師弟の関係とも言はる可き程のものを有つてゐた彼の二人の偉大な思想家等が、彼等の仏教思想を理解することの深い浅いに殆ど正比例して、一方のより低い哲学に対して他方のより高い哲学を、我々の前に提示してゐるといふのは一の興味ある事柄であり、殊に、より忌憚なく言へば、シヨオペンハウエルの理解した仏教思想の頂点が、其儘彼の哲学の到達し得たる最後の限界であり、これに対してニイチエの理解し得た限りの仏教が、結局に於て到達し得た高さまでは、彼の哲学も亦到達し得たと言ふに止まつてゐるといふのは、否、更に今一つを加へて言ふならば、其最も根本的な傾向に於て、畢竟シヨオペンハウエルが彼の言葉遣ひに於ける仏教徒より他の何物でもなく、それに対してニイチエが、彼の言葉遣ひに於ける仏教徒より以外の何物でもなかつたといふのは、前よりも一層興味ある事柄であると言ふ可きであらう...
生田長江 「ニイチエ雑観」
...加之(しかのみならず)...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...加之(のみならず)...
石川啄木 「刑余の叔父」
...加之(しかのみならず)...
三文字屋金平 「為文学者経」
...加之(しかのみ)ならず...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...加之(しかも)横穴(よこあな)は一ヶ所(しよ)に群在(ぐんざい)する例(れい)が多(おほ)いのだから...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...穴(あな)に入(はい)つて加之(あまつさへ)お賽錢(さいせん)を踏(ふ)んだのだから...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...加之(おまけ)に人少(ひとすく)なであるのに比べて...
薄田泣菫 「茶話」
...益田孝などいふ骨董好きで加之(おまけ)に世話好きの連中(れんぢゆう)で...
薄田泣菫 「茶話」
...加之神武以来数十世を...
高木敏雄 「比較神話学」
...加之自分が後には其女を引きとつて必ず分娩させてやるから其邊は苦にすることはない...
長塚節 「開業醫」
...加之後見までもしてくれるといふのである...
長塚節 「商機」
...加之倫敦(ロンドン)は広いから交際などを始めるとむやみに時間をつぶす...
夏目漱石 「倫敦消息」
...加之なほそれよりも奇妙なことは...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...凡そ日本軍勢の三倍にあたる兵力であり、加之、日本部隊に於きましては現役士官の大多数は死傷して、予備後備の士官達が出動するの状態に至りつゝあつたのに引き換へて、露軍の輸送力は大陸の無尽――欧露の線列兵を挙げて波の如く尽きざる優勢であります...
牧野信一 「サクラの花びら」
...加之お房のことを考へたつて………」と思はず莞爾(につこり)して...
三島霜川 「平民の娘」
...加之(おまけ)に檀家の無いのが諷経(ふぎん)や葬式の煩(わづら)ひが無くて気楽(らく)であつた...
與謝野寛 「蓬生」
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