...自分の体力の衰えに神経をいら立たせていた瞬間だったのに相違ない...
有島武郎 「親子」
...視力の衰えた者にも十分な照明をあたえている...
海野十三 「断層顔」
...見かけは花嫁のように水々しくとも気力の衰えは隠すことができないであろう...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...いつの間にか魅力の衰え果てた美人の位置に置いて眺めねばならなかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...生活力の衰えきった老婆(ろうば)のように見えるけれども...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...自分の気力の衰えをちらと胸に浮べました...
豊島与志雄 「古木」
...体力の衰えが急に目立ってきました...
豊島与志雄 「古木」
...なんとなく気力の衰えを自覚し小説もあまり書けず...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...伯父の気力の衰えを見たというよりは...
中島敦 「斗南先生」
...力の衰えることを感じた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...わたしの力の衰えるに連れて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...記憶をはじめ諸能力の衰えを感ずるや進んで己れの首を運命にゆだねたり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「そうかもしれない、そこもとの云うとおりかもしれない」と立ったまま彼は云った、「だが私は自分で慥かめてみる、もういちど、腹を割って話してみるつもりだ、それが最後の御奉公だと思う」「最後のですって、――」「私はもう、いくらも生きられないのだ」「ばかなことを」「いや、もう長いいのちではない、それは自分でよく知っている、医者は病気が山を越したと云うし、自分でもときにそうかと思うこともある、だがそうではない、気力の衰えや、躯の芯(しん)から精のぬけてゆくことが、自分にははっきりわかる、もう先は短い、ということがわかったから、このいのち一つをお役に立てようと思ったのだ」「貴方らしいな」七十郎は酒を呷って云った、「おれは治ると云いだす病人は死ぬが、もう死ぬと云う病人は治るものです」「そこもとには似あわない」と新左衛門が微笑した、「そういう慰めはそこもとには似あわないな、だがもう疲れた、失礼して休息することにしよう」「いつ江戸へ立たれますか」「明日の朝、――」そう云って新左衛門は去った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...視力の衰えは誰にも云わないが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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