...時々死んだ樣に力のない咳(せき)をし乍ら...
石川啄木 「鳥影」
...一体戦闘力のないものは敵に抵抗する力がないので...
泉鏡花 「海城発電」
...金を得る力のない人で事業家はたくさんあります...
内村鑑三 「後世への最大遺物」
...そんなことに力のない一国民ですからねえ」「そんなことはない」と...
海野十三 「火星兵団」
...生活能力のない斎藤にしてみれば...
江戸川乱歩 「断崖」
...敵に立ち向かう力のないことを声明した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...自律力のない自分を鞭打つ...
種田山頭火 「其中日記」
...」義男は力のない調子で斯う云つた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...想像力のない浅井君はとんと結果を予想し得ない...
夏目漱石 「虞美人草」
...お倉に比べると一向魅力のない大年増が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...世の中にマダ国会論の勢力のない時ですから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ときどき力のない咳の音がした...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...」と矢代は力のない小声で訊ねた...
横光利一 「旅愁」
...力のない百姓の顔いろにも...
吉川英治 「源頼朝」
...もう拒む力のない清十郎を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それは既に発見られたのです、だから、その化学式を満足させるようなものを合成すればいい訳ですが、ところが化学式には「弾力」というものが表わせません、ゴムの生命ともいっていい弾力が表わせないんです、それが合成して目出度(めでた)く出来上ったものは、一見ゴムみたいなものでありながら、弾力のない、くだらぬものでしかなかった、という、まあそんな訳ですが、失礼ですが、あなたの場合、音譜に「音色(ねいろ)」というものが表わせるでしょうか「音色」という弾力を、マキシマムに発揮しなければ、その流行歌は人の心を、芯底から搏(う)つものとは思われませんね...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...漢字まじりの文は漢文を作る力のない武士の階級から生まれ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...――この事をしろとかあの事をしてはならぬとかいう命令はすべて力のないものに見え...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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