...どうか英雄とならぬやうに――英雄の志を起さぬやうに力のないわたしをお守り下さいまし...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...明細な批判を下す能力のないものこそ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...赤坊は力のない哀れな声で泣きつづけた...
有島武郎 「カインの末裔」
...大抵弾力のない思想を有(も)ツて居るものだ...
石川啄木 「漂泊」
...一体戦闘力のないものは敵に抵抗する力がないので...
泉鏡花 「海城発電」
...『こんな生活に堪へられないやうな抵抗力のない子供ならば生れて来る筈はない』と...
伊藤野枝 「私信」
...そういう重力のないところでは...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...力のない声でいうのです...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...あなたも生活能力のない男だから...
江戸川乱歩 「断崖」
...女はまた前屈みになって力のない足つきで歩いた...
田中貢太郎 「女の首」
...殆どそれは實行力のない...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...ただ紅葉に活力のないことだけを云いたい...
豊島与志雄 「秋の気魄」
...彼は気力のない身振りをし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...……このこと、知っとったか?」「知りませんでした」うなだれて、力のない声で、答えた...
火野葦平 「花と龍」
...想像力のない合理主義の産物である...
三木清 「人生論ノート」
...一方第二巻第十一章には努力のない所に徳はないと述べているが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれども力のないのが登に感じられた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...まだ働きざかりじゃあないのかい」「としは四十一さ」と与平は力のない笑いかたをして云った...
山本周五郎 「さぶ」
便利!手書き漢字入力検索