...静かなと言つてもたゞ静かだけでも力のないものには余り興味がない...
芥川龍之介 「愛読書の印象」
...力のない朝日の光の中に...
芥川龍之介 「誘惑」
...併し單獨の思索を僅か十日内外さへ續ける力のないものが讀書を輕蔑するなどは生意氣である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...『こんな生活に堪へられないやうな抵抗力のない子供ならば生れて来る筈はない』と...
伊藤野枝 「私信」
...重力や引力のない空間を航行するとき...
海野十三 「宇宙尖兵」
...ほんまに法力がないじゃろうか」「ちっともないというよ」「そうか」「あんな法力のない坊主は...
田中貢太郎 「鷲」
...弱々しい力のない声をして...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...やはり読書力のない者が多かった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...間の抜けた力のない音でボンボンと鳴り出すのを聞きつけ...
永井荷風 「男ごゝろ」
...自分はお糸に対しては到底それだけの威力のない事を思返(おもいかえ)した...
永井荷風 「すみだ川」
...三年を経た今日では人間の生存し得るぎりぎりの限界にまで私は(生活力のない私は)追いつめられています...
原民喜 「ある手紙」
...しかも漂って見えるほど力のない字...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...けれども力のないのが登に感じられた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...まだ働きざかりじゃあないのかい」「としは四十一さ」と与平は力のない笑いかたをして云った...
山本周五郎 「さぶ」
...金吾の腕に力のない顔をうつ向けました...
吉川英治 「江戸三国志」
...理論だけで実力のない人間の屯(たむろ)のように悪くいった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...わしに智力のない闇か...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...イスラムの神が全然救う力のないことを実証した如きその一つである...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索