...腹に力のない時には出来ないのです...
芥川龍之介 「無題」
...唯一切を淨化する力のない自分の愛の缺乏の罪である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...とても義弟の行状を改めさせる効力のないことは...
海野十三 「奇賊悲願」
...「それならどんな力のない男でも...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...力のない声で笑った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...みのるは矢つ張りこの力のない男の手で養つてもらはなければならなかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...自覚する力のないものほど危っかしいものはないのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...力のない歩み方でした...
豊島与志雄 「食慾」
...友さんが来ましたよ」「どうも有難う」力のない身体(からだ)を向き直すつもりで...
中里介山 「大菩薩峠」
...それで重力のない世界での人体の生理という問題が...
中谷宇吉郎 「高度八十マイル」
...斯んな種類の悪は自身で自然に湧き起る力のないことを! 之は善を隔たる一歩のものであることを!復讐の代償未だ何かが続いている...
松永延造 「職工と微笑」
...それは広告文の大小で良否を決定するような批判力のないコケ共が多いからである...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...力のない感じの方で生活を計っているから御安心下さい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...宮がお書きつぶしになった紙の几帳(きちょう)のそばから見えるのを、手に取って御覧になると、力のない字で、うき世にはあらぬところのゆかしくて背(そむ)く山路に思ひこそ入れとある...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...安息を味わうだけの力のない者は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...力のない低い声で「大丈夫だ」と云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...力のない足を揃えて鉄砲洲の屋敷へ引き揚げて行くのであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...いつも乍らの力のない面白くも無さ相な調子である...
若山牧水 「一家」
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