...わたしはこれでござんすもの」と女将(おかみ)は剽軽(ひょうきん)にも気軽くちゃんと立ち上がって自分の背たけの低さを見せた...
有島武郎 「或る女」
...声は至って剽軽(ひょうきん)な朗らかさだった...
高見順 「如何なる星の下に」
...」と剽軽(ひょうきん)に返事して...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...河内介はいろ/\馬鹿げた冗談(じょうだん)や剽軽(ひょうきん)なことを云い出して...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...行乞して、たま/\出征兵士を乗せた汽車が通過するのに行き合せた、私も日本人の一人として、人々と共に真実こめて見送つた、旗がうごく、万歳々々々々の声――私は覚えず涙にむせんだ、私にもまだ/\涙があるのだ!同宿の猿まはし君は愉快な男だ、老いた方は酒好きの、剽軽な苦労人だ、若い方は短気で几帳面で、唄好だ、長州人の、そして水平社的な性質の持主である、後者は昨夜も隣室の夫婦を奴(マヽ)鳴りつけてゐた、おぢいさんがおばあさんの蒲団をあげたのがいけないといふのだ、そして今夜はたまたま同宿の若いルンペンをいろ/\世話して、鬚を剃つてやつたり、或る世間師に紹介したりしてやつてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...剽軽(ひょうきん)な...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そのとき困りはてた東桂さんが指に唾(つば)をつけて一枚一枚本をくつては薬箱から薬をしやくひだす様子は私を育ててくれた剽軽な伯母さんの真にせまつた身ぶりにのこつていつまでも厭(あ)かれることのない笑ひぐさとなつた...
中勘助 「銀の匙」
...長者町の道庵という剽軽(ひょうきん)なお医者さんへ預けることにしてしまったんだ」「長者町の道庵さん?」こう言って男女が山下の銀床(ぎんどこ)という床屋へ入るのまで...
中里介山 「大菩薩峠」
...胡坐(あぐら)を掻(か)いている剽軽(ひょうきん)な彼の顔を...
夏目漱石 「明暗」
...顔なじみの寅吉という剽軽(ひょうきん)なやつ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...さめちゃうじゃないのよウ」目のクリッとした剽軽(ひょうきん)な顔を...
久生十蘭 「あなたも私も」
...跛(びっこ)の剽軽(ひょうきん)な豆八は...
火野葦平 「花と龍」
...剽軽(ひょうきん)な事を云い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ほんとに玄坊の剽軽たらありやしない...
牧野信一 「蚊」
...何(いず)れにしても話はよほど剽軽(ひょうきん)になり...
柳田国男 「年中行事覚書」
...八笑人そのままの剽軽(ひょうきん)な連中が...
山本笑月 「明治世相百話」
...剽軽(ひょうきん)な調子で云った...
夢野久作 「復讐」
...剽軽者(ひょうきんもの)の仙次が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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