...その事については割合に安々(やすやす)とした心持ちでいる事ができた...
有島武郎 「或る女」
...その顔付きは割合に整っていて...
有島武郎 「カインの末裔」
...動き出した車窓から首も出さずに挙手の敬礼をつづけて動かないさまなどを割合に冷静に思い出すことが出来るが...
上田広 「指導物語」
...割合に尤もらしい顔をしているのネ...
海野十三 「深夜の市長」
...目先のきく割合に大成しない傾向があるのです...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...割合におとなしい動物でありますけれど...
太宰治 「黄村先生言行録」
...麺類魚類は高いが酒類は割合に安い...
種田山頭火 「旅日記」
...その作が割合に『世相』を明かに読者の前に描いて見せることが出来たのである...
田山録弥 「西鶴小論」
...平生は割合に鋭い観察眼もすっかり権威を失ってしまう...
田山花袋 「少女病」
...之を割合に克明に理解すれば...
戸坂潤 「読書法」
...この辺で夜も割合におそくまで灯(あかり)をつけている家は...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...人間の年月と猫の星霜(せいそう)を同じ割合に打算するのははなはだしき誤謬(ごびゅう)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...割合に長く續いてゐた...
萩原朔太郎 「追憶」
...そして社会の組織は割合に堅い根柢を作つて進んで行く...
平出修 「計画」
...私の気もちも割合に静かになっている...
堀辰雄 「ほととぎす」
...割合に師匠の小言も少なくトントンと進んで...
正岡容 「寄席」
...娘であった割合には蓮葉(はすっぱ)な生意気なこの人はあわてもしない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...割合に多い骨董商の店を覗(のぞ)いて立止りもした...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索