...上唇が丁度兎(うさぎ)のように二つに割れていて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...凡(すべ)て獣蓄(けもの)の中蹄(うちひづめ)の分れ割れて二つの蹄を成せる反蒭獣(にれはむけもの)は汝ら之(これ)を食(くら)うべし...
太宰治 「正義と微笑」
...流言蜚語の正体の底がすっかり割れてしまったからです...
中里介山 「大菩薩峠」
...たまたま突壁の割れて小峡をなす処では...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...しかしいくら割れても...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...眉間が割れて少々血が出た...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...――竹の先は少し割れてゐる...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死骸の側に落ちて割れてゐたんですぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一枚も割れて居ないよ」平次はそんな事を言ひ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火鉢は割れて居て使ひ物にならず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火鉢が割れて居なかつたのと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世界は割れてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...その眞中が二つに割れて土用波が立つて來た...
室生犀星 「神のない子」
...皮を剥いたいちじくは、白い肌を出して、果頭の部分が、薄紫色のぼかしになって、えみ割れていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...玉が一つ割れておりましたので……お届けしようと存じておりましたところで……」と言ううちに大きなマホガニーの箱をだした...
夢野久作 「ざんげの塔」
...――主と仰ぎ奉って、身命を抛(なげう)って、働きたい望みある者でございますッ!」自分では、駈けつつ、それだけの言葉を、大声で訴えたつもりではあるが、非常な昂奮をしていたし、とたんに、予測していた警固の士が行列を出て、自分と信長のあいだへ、槍を把(と)って遮(さえぎ)って来たので、気は上ずり、声は割れて、人には何と聞えたか、恐らく、意味をなしてはいなかったろうと思われる...
吉川英治 「新書太閤記」
...二つに割れて飛んだのを見ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...襲った者の声は割れていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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