...剩(おまけ)に金があると來てるから...
石川啄木 「病院の窓」
...剩(あまつさ)へ辿(たど)り向(むか)ふ大良(だいら)ヶ嶽(たけ)の峰裏(みねうら)は――此方(こちら)に蛾(ひとりむし)ほどの雲(くも)なきにかゝはらず...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...剩員淘汰と共にやめられた男だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...すなはち生産過剩といふ流行病が發生する...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...また最も有力に、機械と分業との破壞作用、資本と土地との集中、生産過剩、恐慌、小資本家と小農との必然的滅亡、プロレタリヤの悲慘、生産界の無政府状態、富の分配の驚くべき不權衡、諸國民間における必死の産業戰爭、舊習慣、舊家族關係、舊國民性の解體を論證した...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...窮民地方の地租十分の三を輕減したるも猶ほ豫算に剩餘を見たりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...剩錢(つりせん)なきを以て物價の單位拾圓となる...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...三途(づ)の川で渡し守からお剩餘(つり)を取る老爺だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...剩つた米を安くかつて米店をはじめたり...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...しかも今日の人間は自意識の過剩に苦しむともいはれてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...これは熟練な金工ヴェールンドが、家出した妻の歸るのを待ちながら、拵へて置いた指環をニャールの王に奪はれ、剩へ、奴隸のやうに足の筋をきられて、ある島に禁錮せられた怨みから、王の二子をだまして殺し、指環を修繕に來た王女に暴行して、自分の工夫した翼をつけ、空をとんで逃げてしまつたといふ話ですが、これはドイツにある鍛冶ウイラントの話そのまゝで、ゲルマン民族に共通のものであります...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...夜更けて 油の盡きた暗いランプ 低い焔 煤けた笠既に私の生涯も 剩すところはもうわづか ああ今しばしものを思はう 今しばし 私の仕事に精を出さうやがて睡りの時がくる 悲しみもなく 私の眠る時がくる...
三好達治 「雪夜 三」
...壽阿彌はそれを剩(あま)さずに食べた...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...「過剩財産は社會の物を盜んだものである...
森鴎外 「古い手帳から」
...此の過剩な小鳥の群を...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...過剩の不幸といふこともある...
吉川英治 「折々の記」
...デザイン過剩到來物の生菓子のふたをひらく...
吉川英治 「折々の記」
...デザイン過剩は、要するに、ゆきづまりの混亂である...
吉川英治 「折々の記」
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