...立錐(りつすゐ)の地を剩(あま)さゞるこの大密畫は...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...剩(おまけ)に名高い吝嗇家(しみつたれ)だつた作松は...
石川啄木 「赤痢」
...剩(おま)けに不愉快な思ひをするのは下らん話だからね...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...剩(あまつさ)へ辿(たど)り向(むか)ふ大良(だいら)ヶ嶽(たけ)の峰裏(みねうら)は――此方(こちら)に蛾(ひとりむし)ほどの雲(くも)なきにかゝはらず...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...剩(あまつさ)へ此(こ)の四五日(しごにち)...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...お剩(まけ)に洋杖(ステツキ)が細(ほそ)い...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...すなはち他の勞働を支配すべき何らの餘剩を生じないところの...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...また最も有力に、機械と分業との破壞作用、資本と土地との集中、生産過剩、恐慌、小資本家と小農との必然的滅亡、プロレタリヤの悲慘、生産界の無政府状態、富の分配の驚くべき不權衡、諸國民間における必死の産業戰爭、舊習慣、舊家族關係、舊國民性の解體を論證した...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...窮民地方の地租十分の三を輕減したるも猶ほ豫算に剩餘を見たりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...直ちに射術の奧儀秘傳を剩す所なく紀昌に授け始めた...
中島敦 「名人傳」
...三途(づ)の川で渡し守からお剩餘(つり)を取る老爺だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前に調節されて、外部の過剩も、われわれの内部では平衡する...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...俸給の餘剩(あまり)を積んで購(あがな)つて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...これは熟練な金工ヴェールンドが、家出した妻の歸るのを待ちながら、拵へて置いた指環をニャールの王に奪はれ、剩へ、奴隸のやうに足の筋をきられて、ある島に禁錮せられた怨みから、王の二子をだまして殺し、指環を修繕に來た王女に暴行して、自分の工夫した翼をつけ、空をとんで逃げてしまつたといふ話ですが、これはドイツにある鍛冶ウイラントの話そのまゝで、ゲルマン民族に共通のものであります...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...「過剩財産は社會の物を盜んだものである...
森鴎外 「古い手帳から」
...糖分過剩の兆候がみえる...
吉川英治 「折々の記」
...餘りに都會を“過剩な不幸”にしたくない...
吉川英治 「折々の記」
...デザイン過剩は、要するに、ゆきづまりの混亂である...
吉川英治 「折々の記」
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