...剛腹そのもののやうな黒岩氏も何とかして退社の人々と和解の道はないものかと考へてゐたらしく...
石川三四郎 「浪」
...そう云う父が剛腹な顔つきをして車に乗せられ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...彼は曾て剛腹破廉耻の議長として衆議院を除名せられたるほどの不名譽の人物なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼は曾て剛腹破廉耻の議長として衆議院を除名せられたるほどの不名誉の人物なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...個人的差異――それらの剛腹(ごうふく)な個性の間にもっとも強く現われる差異――を覆(おお)いかくしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...剛腹の大黒屋徳右衞門も腐りきつてしまひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...相手のことを思い出すという剛腹な人間ばかりだったので...
久生十蘭 「海難記」
...剛腹な面構えの丸山一等兵すら...
久生十蘭 「ノア」
...あの剛腹(ごうふく)な男を殺すことは出来まい...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...膝に載せて、星あかりに、じっとみつめると、この愛らしい、ふっくらと肥えた嬰児(えいじ)のいずくに、親どもの、あの剛腹な、ふてぶてしいものが見出せるであろう!武術の活(かつ)――それを、そのままソッと、指さきが、絶気している子どもの、鳩尾(みぞおち)に当てられる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「な、これなら、お思い出しになりましたろうがな――」土部三斎、駿河守の昔から、剛腹一方、怖れも懸念も知らずに押し上って来た人物だが、それが何たること――片手を畳に、片手を前に突き出して、腰さえ畳に落ちつかない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あの剛腹な、ウインチに片腕もぎ取られても笑つてゐた阪井さんが、泣いてゐたのを俺は見た...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...平常ならば如何にも剛腹そうな...
三好十郎 「斬られの仙太」
...御一新前から平松の旦那と言やぁ剛腹で鳴らした金貸しだあ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...もっとも西村さんはあんな剛腹の人で...
森下雨村 「五階の窓」
...本署からは剛腹で有名な巨漢(おおおとこ)の司法主任馬酔(あせび)警部補と...
夢野久作 「巡査辞職」
...剛腹な曹操も、この条件の重さに、おどろいた顔色であったが、「さすがは関羽、果たして、予の眼鑑(めがね)にたがわぬ義人である...
吉川英治 「三国志」
...「なるほど剛腹(ごうふく)なおじいさんだ」と...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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