...時間は刻々とすぎていった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...日本全国が、今や恐るべき天災のために、刻々とくずされ、焼きつくされ、そして大洋の高潮に洗われていることであろう...
海野十三 「第五氷河期」
...捕えた気象水温その他の数値を刻々と博士に報告した...
海野十三 「地球発狂事件」
...刻々と記録づけてゆくところの組織の中心のような役目をもってきたのである...
中井正一 「国会図書館のこのごろ」
...やはり危険が刻々と迫っていて...
中里介山 「大菩薩峠」
...希望通りに刻々と彼の心は延子から離れて...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...その中にもあたりに立ちこめた霧は刻々と深くなつて参りました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...吐き出す息のみが目醒しくて刻々と蝸牛のはかどりに陥入つてゐた...
牧野信一 「剥製」
...彼女等に刻々と深まつて行く見たいな隔りを感じた――その癖孤独の己れが馬鹿に悄然と見えたりした...
牧野信一 「山を越えて」
...平左衛門大難の日は刻々と迫ってくる...
正岡容 「我が圓朝研究」
...刻々と変ってくる時勢と自己の周囲に応じてよく処することを知らなかった日頃の科(とが)が...
吉川英治 「三国志」
...刻々と進みつつある文化に遠かった...
吉川英治 「新書太閤記」
...刻々と、昼も夜も、三河路を南へさして、大きく、迅く、しかも強力な破壊力をもって流れつつある――西軍潜行隊の尾端をとらえて――追跡するためにであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...時計の間の、やぐら時計は、刻々と、森厳(しんごん)な生唾(なまつば)をのませていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...山法師を討つと見せて、平家一門へ私怨と公憤の火ぶたを切ろうとする密策なのであって、刻々と、夜の迫るのを、待っていた...
吉川英治 「親鸞」
...しかし数日前の月輪家の招宴から帰った後の状態はさらに悪くなっている、刻々と、意思は蝕(むしば)まれ、信念は敗地へ追いつめられて行く、どうしようもない本能の圧(あっ)す力である...
吉川英治 「親鸞」
...刻々と淀(よど)に沿って...
吉川英治 「松のや露八」
...刻々と迫っている生命の危険も忘れて...
吉川英治 「源頼朝」
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