...刻々と斜めに軋(きし)る痛苦(いたみ)に堪へがての人柱(ツシアス)のつきぬ恨みが遂に地の底に巣(す)くふに到つた...
上里春生 「傾ける殿堂」
...しかし私の心はその閾(しきゐ)にかゝると刻々とその鼓動を止め...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しかし時は刻々とたってゆきます...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...機会を賜(たまわ)った神に感謝しましょう」時間はあまりにも刻々と...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...人々の心を刻々と郷里に追いもどしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...つまりは、徒手空拳(くうけん)で動乱のなかに跳びこみ、五体をもって秩序を立てようと奔(はし)りまわった彼堀盛は、今日はじめて歴乎(れっき)として、彼の存在が、刻々と前進し、運転している政治のメカニズムの大切な螺旋(ねじ)であることを自覚した...
本庄陸男 「石狩川」
...あれらの山々がそうしてゐる間にも刻々と切り崩づされるに随つて金貨を積んだ橇の音が次第々々に近づいて来てゐるのだといふ素晴しい夢に誘はれてゐたのである...
牧野信一 「熱海線私語」
...こうした中にも物淋しい生命は刻々と過ぎて行きます……筆を止めて...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...ただ刻々と、宗厳の形相(ぎょうそう)が蒼白く硬(こわ)ばって来た...
吉川英治 「剣の四君子」
...かくて、刻々と、暮色は濃くなり、長江の波音もただならず、暖風しきりに北へ吹いて、飛雲団々、天地は不気味な形相を呈していた...
吉川英治 「三国志」
...めでたい」刻々と...
吉川英治 「新書太閤記」
...今し刻々と暁天のような光彩にうつりつつあるぞ)を感じさせる為にもなった...
吉川英治 「新書太閤記」
...刻々と来る報告を聞いて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...眼の前にはすでに刻々といろいろ問題がさし迫っている...
吉川英治 「親鸞」
...次の萌芽は刻々と...
吉川英治 「随筆 新平家」
...刻々と淀(よど)に沿って...
吉川英治 「松のや露八」
...刻々と変革が近づいているのであるなどとは思いもしていなかったのである...
吉川英治 「源頼朝」
...刻々と移り變る表情の豐かさは...
若山牧水 「樹木とその葉」
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