...彼は自分の身体が刻々とむしばまれて行くのをはっきりと自覚していた...
梅崎春生 「日の果て」
...其のうちに夜は刻々と更けて往った...
田中貢太郎 「魔王物語」
...やはり危険が刻々と迫っていて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほとんど刻々と言ってもいいくらいに親密の度を加えていって...
平林初之輔 「謎の女」
...刻々とその清らかな光りを増して...
牧野信一 「青白き公園」
...あれらの山々がそうしてゐる間にも刻々と切り崩づされるに随つて金貨を積んだ橇の音が次第々々に近づいて来てゐるのだといふ素晴しい夢に誘はれてゐたのである...
牧野信一 「熱海線私語」
...それらの動くものゝ姿が刻々と低い霞みに溶け...
牧野信一 「歌へる日まで」
...夜は刻々と忘れられたるものゝ如く静かに更けてゆきます――...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...鼻先に八ヶ岳連峯が刻々と姿を変へて行く...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...刻々と立って行く時はどうにでも人の心をかえて行く事が出来る...
宮本百合子 「悲しめる心」
...咲いたと見てゐる間にも櫻の花は散る姿へ刻々と動いてゐるといふ眼です...
吉川英治 「折々の記」
...ただ刻々と、宗厳の形相(ぎょうそう)が蒼白く硬(こわ)ばって来た...
吉川英治 「剣の四君子」
...刻々と報らせて来る戦況を聞いていた...
吉川英治 「三国志」
...刻々と水嵩(みずかさ)を増す大河のように...
吉川英治 「三国志」
...刻々と易(かわ)ってゆく生き物ですから...
吉川英治 「私本太平記」
...十六日の暁方(あけがた)は、刻々と、小御堂をつつむ暗い樹々の風と、白い星のまたたきに、近づきつつあった...
吉川英治 「親鸞」
...刻々と悪いほうへ変ってくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...刻々と幸福の高まって行くような...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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