...無論即刻、賊の逃去った方角の各警察署へ打電して、逮捕方を依頼したけれど、どこをどう逃げたのか、いつまでたっても、何の報告もなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ただ一つ頭に刻まれた問題だけを簡単に書き止めておく...
寺田寅彦 「路傍の草」
...530528 此三行に皷吹せられてグリース最大の彫刻家フェーヂアースヂュウスの像を造れりと曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...先刻の藁ぼっちへ見当をつけて置いて...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...先刻後方遠く影の中に何か動くものが見えたのは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...現在この座敷の締りは先刻...
中里介山 「大菩薩峠」
...健三はさっさと頭から白襯衣(ワイシャツ)を被(かぶ)って洋服に着換えたなり例刻に宅(うち)を出た...
夏目漱石 「道草」
...己れは平次」「上根岸からここまで四半刻で駆けつけるぐらいなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...現事変下示唆を受くるところ最も深刻なるものあり...
藤島武二 「画室の言葉」
...総督の顔が深刻になった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...けれどもなぜかまた額(ひたい)に深(ふか)く皺(しわ)を刻(きざ)んで...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...その屋根屋根の下で営まれているその日その時刻の生活の微かな音響だのが...
宮本百合子 「ヴォルフの世界」
...「いそいでやれ」それからほぼ一刻(とき)のち...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...先刻聞いた三里五里と同じやうに思つて眺めて居ました...
與謝野晶子 「女が来て」
...もう一刻(とき)ばかりじゃの」「あまり間際に迫りませぬうち...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ひしと戸をさし固むべき時の來て夜半を樂しくとりいだす酒夜爲事の後の机に置きて酌ぐウヰスキーのコプに蚊を入るるなかれ疲れ果て眠りかねつつ夜半に酌ぐこのウヰスキーは鼻を燒くなり鐵瓶のふちに枕しねむたげに徳利かたむくいざわれも寢む醉ひ果てては世に憎きもの一もなしほとほと我もまたありやなし一刻も自分を忘るゝ事の出來ぬ自己主義の...
若山牧水 「樹木とその葉」
...その軒下には女房が大根を刻み...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...煙草を刻みつつ胸を噛(か)む人間性の苦悶を渾身(こんしん)の力によって抑圧し忍び耐えようとするあのしぐさは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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