...博士は刺すような眼光で...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...心の裡が刺すような痛みを覚えると共になにか苛々してきた...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...刺すような苦痛をもって時々彼の心を過(よぎ)った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...上段の刀尖が、手が、ぴくぴく動くと、次の瞬間「ええいっ」見事、小太郎の誘いに乗って、大きく一足踏み出すと、きらっと、白く円弧を描いて、打ち込む――その光った弧線が、半分閃くか、閃かぬかに「とうっ」肚の中まで、突き刺すような、鋭い気合、閃く水の影の如く、一条の白光、下から宙へ閃くと――刀と、片手が、血潮の飛沫と共に、宙に躍った...
直木三十五 「南国太平記」
...目はまるで人を突き刺すような...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...突き刺すような疼痛をこらえながら...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ジェシは伯爵夫人の刺すような黒い瞳を見逃さなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...ちょっと刺すような味をしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「節子」と叫んだが彼女は刺すような眼で相良を見...
山本周五郎 「おばな沢」
...鼻を刺すような地酒を...
山本周五郎 「留さんとその女」
...棘々(とげとげ)しい刺すような調子だった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「その顔には見覚えがある」と昂軒は編笠の一端をあげ、ひややかな、刺すような眼で、じっと六兵衛を睨(にら)んだ、「――うん、慥かに覚えのある顔だ、きさま討手だろう、おれのこの首が欲しいのだろう」六兵衛は逆上した...
山本周五郎 「ひとごろし」
...刺すような皮肉な色がうかんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...綱宗は刺すような眼で甲斐をにらみ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それは辺りの肺腑(はいふ)をも刺すような劈(つんざ)きのまに...
吉川英治 「私本太平記」
...とどめを刺すようなまねはせぬがよかろう」「なに?」信じられない動揺だったが...
吉川英治 「私本太平記」
...眼を刺すような色柄は見られぬし...
吉川英治 「新書太閤記」
...皆が作業を放り出して刺すような寒気の中...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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