...人の心情を突き刺すような...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...刺すような眼をして...
直木三十五 「南国太平記」
...突き刺すような眼(ま)なざしで...
原民喜 「鎮魂歌」
...骨を刺すような冷たい風が肋骨の間を吹きぬけてゆく...
久生十蘭 「海豹島」
...眼の中には刺すような光があらわれ...
久生十蘭 「黒い手帳」
...僕は向島から押上の辺をドライヴしていた」真名古は突刺すような眼つきで総監を見下ろしながら...
久生十蘭 「魔都」
...刺すような痛みに襲われ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...そして異様な甘く刺すような怒りが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...刺すような調子で...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...刺すような眼で正面を見る...
三好十郎 「その人を知らず」
...刺すような聲です...
三好十郎 「肌の匂い」
...そこに刺すような苦しさがあるように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...刺すような胸の痛みは少しも軽くならなかった...
山本周五郎 「つばくろ」
...刺すような皮肉な色がうかんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「おい、図星だろう」と六郎兵衛はたたみかけて云った、「きさまは正直者らしい、酒井邸からここへ来るまでの、することや云うことを聞いていると、正直で一本気だということがよくわかる、だが、正直であればあるほど、なにか隠したり、嘘をついたりすることは不得手だ、ものの云いよう、声の調子にすぐあらわれる、きさまはみやのいどころを知っている筈だ、そうだろう」「私は知らない」と玄四郎は静かに云った、「知らないことは事実だが、いどころを知ることはできるかもしれない」「それが本音だ」「しかし私にはそれは云えない」「酌をしてくれ」と六郎兵衛が云った、「酒のあとを頼む、きさまも飲め」「もうたくさんだ」玄四郎はきっぱりと云った、「私は飲まないし、つきあうだけはつきあった、金は預けておくから独りで飲むがいい、私はこれで帰る」「よし帰れ、帰ってみろ」六郎兵衛は低い声で、突き刺すような、冷酷な調子で云った、「だがこれで縁が切れると思ったら間違いだぞ、きさまは酒井家の待、名も黒田玄四郎と覚えている、おれは毎日でも酒井邸へ押しかけてゆくぞ」玄四郎は唾をのんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...とどめを刺すようなまねはせぬがよかろう」「なに?」信じられない動揺だったが...
吉川英治 「私本太平記」
...痛涙を刺すようなものが秀吉の眼を熱くした...
吉川英治 「新書太閤記」
...僕はどんなにしてもそいつを探し出して犬のように刺し殺してやるぞ!』ジムはそう云いながら幾度も短剣をつき刺すような恰好をしてみせた...
渡辺温 「絵姿」
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