...この過程によってコショウの特有な香りおよび刺すような熱い味が取り去られる...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...君の毒針で刺すような凝視にはもう堪えられない...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...骨を刺すような風にいつも吹かれていた...
田中貢太郎 「続黄梁」
...怖ろしい刺すような痛みを脇腹に感じるのです...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...人の心情を突き刺すような...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...何か水中に人を刺すような木石の類が存在していない限り...
中里介山 「大菩薩峠」
...また死体に匕首を刺すような恐ろしい細工までした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...突き刺すような眼なざしに...
原民喜 「鎮魂歌」
...僕は向島から押上の辺をドライヴしていた」真名古は突刺すような眼つきで総監を見下ろしながら...
久生十蘭 「魔都」
...刺すような寒気を気にする様子はない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...……胡桃の樹……刺すような憂愁が...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...この朝夕は肌身を刺すような寒気がつづいて...
矢田津世子 「女心拾遺」
...恋が身を刺すような一つの痛みであり...
山川方夫 「菊」
...刺すような胸の痛みは少しも軽くならなかった...
山本周五郎 「つばくろ」
...鼻を刺すような地酒を...
山本周五郎 「留さんとその女」
...「その顔には見覚えがある」と昂軒は編笠の一端をあげ、ひややかな、刺すような眼で、じっと六兵衛を睨(にら)んだ、「――うん、慥かに覚えのある顔だ、きさま討手だろう、おれのこの首が欲しいのだろう」六兵衛は逆上した...
山本周五郎 「ひとごろし」
...「おい、図星だろう」と六郎兵衛はたたみかけて云った、「きさまは正直者らしい、酒井邸からここへ来るまでの、することや云うことを聞いていると、正直で一本気だということがよくわかる、だが、正直であればあるほど、なにか隠したり、嘘をついたりすることは不得手だ、ものの云いよう、声の調子にすぐあらわれる、きさまはみやのいどころを知っている筈だ、そうだろう」「私は知らない」と玄四郎は静かに云った、「知らないことは事実だが、いどころを知ることはできるかもしれない」「それが本音だ」「しかし私にはそれは云えない」「酌をしてくれ」と六郎兵衛が云った、「酒のあとを頼む、きさまも飲め」「もうたくさんだ」玄四郎はきっぱりと云った、「私は飲まないし、つきあうだけはつきあった、金は預けておくから独りで飲むがいい、私はこれで帰る」「よし帰れ、帰ってみろ」六郎兵衛は低い声で、突き刺すような、冷酷な調子で云った、「だがこれで縁が切れると思ったら間違いだぞ、きさまは酒井家の待、名も黒田玄四郎と覚えている、おれは毎日でも酒井邸へ押しかけてゆくぞ」玄四郎は唾をのんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...皆が作業を放り出して刺すような寒気の中...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索