...細かい針で絶間なく刺すような刺戟(しげき)は二人の顔を真赤にして感覚を失わしめた...
有島武郎 「カインの末裔」
...私の心を突き刺すようなお眼をなすってね...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...酷寒針で刺すような水中にとびこんで辛くも橋を架してわたり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...骨を刺すような風にいつも吹かれていた...
田中貢太郎 「続黄梁」
...怖ろしい刺すような痛みを脇腹に感じるのです...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...突き刺すような、身に徹えるような、噛みつくような寒さであった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...人の心情を突き刺すような...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...何か水中に人を刺すような木石の類が存在していない限り...
中里介山 「大菩薩峠」
...また死体に匕首を刺すような恐ろしい細工までした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三年前彼がはじめて「グーセフ」を読んだ時から残されている骨を刺すような冷やかなものと疼(うず)くような熱さがまた身裡(みうち)に甦(よみがえ)って来るのでもあった...
原民喜 「冬日記」
...この小さな悪魔的な刺すような貫くような警告...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...刺すような調子でこう云った...
山本周五郎 「いさましい話」
...刺すような胸の痛みは少しも軽くならなかった...
山本周五郎 「つばくろ」
...ほかの座敷がぜんぶ塞がっているわけでもないだろう」「大きな声をしないで下さい」「なんだって」「蒲団部屋でいいと云ったのはあなたじゃありませんか」お杉の甲高い刺すような声に...
山本周五郎 「花も刀も」
...「その顔には見覚えがある」と昂軒は編笠の一端をあげ、ひややかな、刺すような眼で、じっと六兵衛を睨(にら)んだ、「――うん、慥かに覚えのある顔だ、きさま討手だろう、おれのこの首が欲しいのだろう」六兵衛は逆上した...
山本周五郎 「ひとごろし」
...血のセピア色……それらのすべてが放つ眩(まぶ)しい……冷たい……刺すような...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは辺りの肺腑(はいふ)をも刺すような劈(つんざ)きのまに...
吉川英治 「私本太平記」
...僕はどんなにしてもそいつを探し出して犬のように刺し殺してやるぞ!』ジムはそう云いながら幾度も短剣をつき刺すような恰好をしてみせた...
渡辺温 「絵姿」
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