...細かい針で絶間なく刺すような刺戟(しげき)は二人の顔を真赤にして感覚を失わしめた...
有島武郎 「カインの末裔」
...博士は刺すような眼光で...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...骨を刺すような口調でものを言う人ではなかった...
太宰治 「水仙」
...ヒリリと刺すような痛みを手の甲に感じて...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...突き刺すような、身に徹えるような、噛みつくような寒さであった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...」千代乃は刺すような眼付きを...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...心をつき刺すような眼付をじろりとまともに受けたのを...
豊島与志雄 「野ざらし」
...刺すような鋭い光りに変った...
豊島与志雄 「反抗」
...刺すような光が流れ出す...
久生十蘭 「地底獣国」
...刺すような寒気を気にする様子はない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...つんと刺すような臭いがした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...そして異様な甘く刺すような怒りが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...刺すような調子で...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その刺すような調子とは...
山本周五郎 「竹柏記」
...しのも心配して逢いたがっているが」「馬を下りたらどうだ」第二の声は刺すような調子だった...
山本周五郎 「はたし状」
...「その顔には見覚えがある」と昂軒は編笠の一端をあげ、ひややかな、刺すような眼で、じっと六兵衛を睨(にら)んだ、「――うん、慥かに覚えのある顔だ、きさま討手だろう、おれのこの首が欲しいのだろう」六兵衛は逆上した...
山本周五郎 「ひとごろし」
...「おい、図星だろう」と六郎兵衛はたたみかけて云った、「きさまは正直者らしい、酒井邸からここへ来るまでの、することや云うことを聞いていると、正直で一本気だということがよくわかる、だが、正直であればあるほど、なにか隠したり、嘘をついたりすることは不得手だ、ものの云いよう、声の調子にすぐあらわれる、きさまはみやのいどころを知っている筈だ、そうだろう」「私は知らない」と玄四郎は静かに云った、「知らないことは事実だが、いどころを知ることはできるかもしれない」「それが本音だ」「しかし私にはそれは云えない」「酌をしてくれ」と六郎兵衛が云った、「酒のあとを頼む、きさまも飲め」「もうたくさんだ」玄四郎はきっぱりと云った、「私は飲まないし、つきあうだけはつきあった、金は預けておくから独りで飲むがいい、私はこれで帰る」「よし帰れ、帰ってみろ」六郎兵衛は低い声で、突き刺すような、冷酷な調子で云った、「だがこれで縁が切れると思ったら間違いだぞ、きさまは酒井家の待、名も黒田玄四郎と覚えている、おれは毎日でも酒井邸へ押しかけてゆくぞ」玄四郎は唾をのんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...皆が作業を放り出して刺すような寒気の中...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??