...何か針の如く私の耳を刺すものがあるのに気がつきました...
芥川龍之介 「開化の良人」
...人を刺すものがある...
芥川龍之介 「偸盗」
...錐の様に胸を刺す所があつた...
石川啄木 「病院の窓」
...毒で自分の体を刺す時には...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...手には鋼鉄の叉棒(さすぼう)を握って一疋(ぴき)の土竜(もぐら)に向って力任せに突き刺すと...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...中年紳士岡田道彦は、化物みたいに飛出した両眼で、突刺す様に、あとに残った一つのグラスを凝視している...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...半ば水に浸されている足の爪先は、針を刺すように、寒さが全身に伝わる...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...まるで薑(はじかみ)や肉桂の辛烈舌を刺すやうなのを味はつたやうに...
薄田泣菫 「独楽園」
...ヒリリと刺すような痛みを手の甲に感じて...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...今迄盛んに空中に撒き散らされた罵詈が綿(カボック)の木の棘の様にチクチクと彼の皮膚を刺すのを感じた...
中島敦 「南島譚」
...』一情景兼ね備はる詩劇の逸品は松風の一番に止めを刺す...
野口米次郎 「能楽論」
...抱きついて首筋を刺すわけには行かなかった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三年前彼がはじめて「グーセフ」を読んだ時から残されている骨を刺すような冷やかなものと疼(うず)くような熱さがまた身裡(みうち)に甦(よみがえ)って来るのでもあった...
原民喜 「冬日記」
...あの眼を刺すようなアルコール性の臭気のしみこんだ階段であったが――その階段をえっちらおっちらと登りながら...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...客の顔を突き刺すやうにそそがれた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...刺すような冷気が...
本庄陸男 「石狩川」
...ちょっと刺すような味をしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...栄二を突き刺すように指さした...
山本周五郎 「さぶ」
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