...そして態々(わざ/\)件(くだん)の鯛の刳盆を買ひ取らせて来た...
薄田泣菫 「茶話」
...刳(ゑぐ)るにはあらぬかと思(おも)はるゝ程(ほど)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...向う側が穹窿(アーチ)形に刳(く)り抜かれた厚い壁になって...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...痛切に胸を刳(えぐ)ってならなかったのです...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...刳り取られたこの砂地が均(なら)されるのです」海岸には...
徳田秋声 「蒼白い月」
...下方は幾ヶ所も刳り抜かれて...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...椰子の実を灯籠風に刳り貫いたのへぽつりと灯火がともって...
豊島与志雄 「波多野邸」
...刳貫細工物問屋の一家が住んでいて...
豊島与志雄 「非情の愛」
...六疊間位に刳(く)り拔いてあるのが焚火の煤(すす)で餘計に闇くなつて居るのだ...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...物置の床を刳(は)いで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それらの斧(をの)には横側(よこがは)に刳(ゑぐ)りを入(い)れたものが多(おほ)いのであります...
濱田青陵 「博物館」
...「おらるるか?」刳(く)りぬいた窓から見える内部で...
本庄陸男 「石狩川」
...刳物にはほとんど凡て漆を塗る...
柳宗悦 「全羅紀行」
...刳(く)った浅い木皿(きざら)だとか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...森を刳ぬかれた青空には...
蘭郁二郎 「植物人間」
...観客の心臓を他愛もなく刳(えぐ)るのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...岩を刳(く)り拔いた樣にして燈臺守の住宅が同じく石造で出來てゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...一方の流れは同じく深く岩を刳って...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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