...処が利口な人間は時を利用することは知つてゐますが自由に駆使することは出来ないでせう? それ丈けでもまだ人間はそんなに威張る資格はありませんよ...
伊藤野枝 「青山菊栄様へ」
...先輩朋友の間をすらも奔走して頼んで廻るような小利口な真似は生得(しょうとく)出来得なかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...利口な女ですね、あの女は...
高見順 「如何なる星の下に」
...小利口な面白半分の作にはもうあきあきしました』私も至極同感だ...
田山録弥 「黒猫」
...本当に、芳子さんにもね……何処と悪いことのない、発明な、利口な、今の世には珍らしい方ですけれど、一つ悪いことがあってね、男の友達と平気で夜歩いたりなんかするんですからね...
田山花袋 「蒲団」
...これはたいそう利口ながちょうらしかった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...その利口な疑ぐりぶかい目を光らせて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...けれど、可愛(かわい)らしい、おとなしい、利口な子だから、わたし大好きなのよ...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...ごまかさずに本音をお吐きなさい! あなたは利口なかただ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...だってそりゃ本当に利口な子なんですものね――そうお思いになりません? 今もこんなことを申しますの――『あの人はわたしの幼馴染(おさななじみ)よ――おまけにいちばんまじめなお友だちなのよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...お互いに利口なわたくしどもの中には...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...なかなか利口な男なんだよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...利口なことにかけたら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ここで一言しておかなければならないのは、受持の教師というのが、生徒が静粛で行儀のよいことの恐ろしく好きな人物で、いわゆる利口な、頓智のいい生徒には、我慢がならなかったことである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あの位利口な人ですから...
平出修 「瘢痕」
...あんなに利口ないゝ犬を...
平山千代子 「「みの」の死」
...利口なお嬢さんだったので...
三浦環 「お蝶夫人」
...あんな利口な人だから...
森鴎外 「雁」
便利!手書き漢字入力検索