...処が利口な人間は時を利用することは知つてゐますが自由に駆使することは出来ないでせう? それ丈けでもまだ人間はそんなに威張る資格はありませんよ...
伊藤野枝 「青山菊栄様へ」
...「ああ、利口な奴だ、こいつは...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...「あれはなかなか利口な男だ」にがにがしそうに慷堂が...
高見順 「いやな感じ」
...けれど、可愛(かわい)らしい、おとなしい、利口な子だから、わたし大好きなのよ...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...お互いに利口なわたくしどもの中には...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...日本人より、遥かに、利口な奴で、只今申した黒船の如きは、帆前船は、風をたよりで動かすが、あれは、石炭を焚いて、風が無くても、一刻(いっとき)に、十里、二十里と走る」「本当ですかい」「本当じゃ」「落ちついていて、深雪さんみたいな、別嬪は、飛んだことになりますぜ」小太郎は、返事をしないで、側へ積み上げた着物、陳べた刀の類、調度を、眺めていた...
直木三十五 「南国太平記」
...一番利口なのは比田かも知れないよ...
夏目漱石 「道草」
...なかなか利口な男なんだよ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...しまいに利口な人も愛想(あいそ)をつかしてやめてしまったんですとさ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あつしなどは本當のキ印とばかり思ひ込んで居ましたが」「それが彌太郎の利口なところだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お夏のやうな綺麗で利口な娘がゐませんよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...待合室には、山川家のフジョンにつらなる、大学の学長や、博士や、その夫人や、利口な顔、抜け目のない顔々が、宗教的な偽隈(にせぐま)をつけ、いとしめやかに控えていた...
久生十蘭 「蝶の絵」
...こうして(君達利口な子にはすぐ分る通り)これら三人のおばあさん達は...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...利口な聽手になつて...
水野仙子 「犬の威嚴」
...利口なんだか馬鹿なんだか...
水野仙子 「女」
...まだ利口な部なのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一等利口な一等美しいお姫様でしたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...――『わしがどうして猫なものかよ! 滅相もないわい! さすがは利口なお前だけあって...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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