...別段何も特別なことはない...
...別段気にしなくてもいいよ...
...今回の企画は別段面白みがない...
...彼女には別段好意を持っていない...
...僕は別段疲れていないけど、早めに寝ようかな...
...彼は別段本家の餅つきをうらやましいとは思わなかった...
梅崎春生 「狂い凧」
...二三日は別段の出来事もなく過去った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...別段賢くはなつてゐなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...あしたは、お天気だな、とそれだけが、幽(かす)かに生きてゐる喜びで、さうしてまた、そつとカーテンをしめて、そのまま寝るのであるが、あした、天気だからとて、別段この身には、なんといふこともないのに、と思へば、をかしく、ひとりで蒲団の中で苦笑するのだ...
太宰治 「富嶽百景」
...彼女は別段母を悪くは云わなかったが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...不思議にも別段恐ろしいと思う念は起らなかった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...併しその物音は別段に近づいて來るのでもなく...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...別段装飾も何もない...
夏目漱石 「永日小品」
...別段気にも留めないのかも知れない...
夏目漱石 「坑夫」
...別段不徳義とは感じなかつた...
夏目漱石 「それから」
...別段(べつだん)そこには氣(き)が付(つ)かなかつた...
夏目漱石 「門」
...別段口をきく者もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「まあ気味の悪いことを云ふわね――」冬子は別段気味の悪さうな様子でもなく...
牧野信一 「女に臆病な男」
...そんな物音で別段に俺は安眠をさまたげられもしなかつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...別段に、傴僂といふわけはないのだが、背中の曲り工合と丈の矮小のあんばいから、それに比べて不釣合な容貌の魁偉さ、その上、いかなる類ひの婦人に対しても単なる機会次第に依つて、おそろしく大胆な恋を挑むのが習性である彼をさして、皆なは、ノウトルダムのカシモドと仇名してゐるが、「なるほど――」と私は、夕映の逆光線を浴びて顔を歪めてゐる閑吉を見ると、たしかに、それは、カシモドと称ぶよりも、寧ろノウトルダムのシメイルのうちの何れかに類似してゐると思はれた...
牧野信一 「心象風景」
...僕は別段そこに何の不思議もないあり得べきことを見ている通りな心地になって...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...)出府にても何も別段之事も無之...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...これも別段よく買つて来たとも...
若松賤子 「黄金機会」
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