...別段何も特別なことはない...
...別段気にしなくてもいいよ...
...今回の企画は別段面白みがない...
...彼女には別段好意を持っていない...
...僕は別段疲れていないけど、早めに寝ようかな...
...別段これという手掛りもなかった...
江戸川乱歩 「鬼」
...その歯が一本無くなつたからといつて今後(これから)嘘を吐(つ)くのに別段差支へる訳でもなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...そのさまざまな講義も別段ありがたく思えなかったし...
太宰治 「惜別」
...あしたは、お天気だな、とそれだけが、幽(かす)かに生きてゐる喜びで、さうしてまた、そつとカーテンをしめて、そのまま寝るのであるが、あした、天気だからとて、別段この身には、なんといふこともないのに、と思へば、をかしく、ひとりで蒲団の中で苦笑するのだ...
太宰治 「富嶽百景」
...お互いに別段、そう熱を上げて夢中になっていたというのでもなかったが、さりとてひと思いに他人になってしまうだけの決心もつかず、ただ何となくズルズルと、一日でも長くこうして一緒に暮していたいような気持が、金のなくなるまでまだまだこんな旅行を続けているつもりなのであった...
橘外男 「生不動」
...貴方は別段何ともお想いになっていられなかったかも知れませんが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...彼女は別段暗い面持もしてはいませんが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...夜着にも別段変ったことはございませんでした...
橘外男 「蒲団」
...いよいよ藩船の便で海路は別段の事もなく松山へ帰着した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...私としましては別段...
中里介山 「大菩薩峠」
...別段(べつだん)氣(き)にも掛(か)からないが...
夏目漱石 「門」
...倫理の先生は別段驚いた様子もなく...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まだ別段そんな気配はないと答えた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...約束の通りに毎日別段に教えて居た所が...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...別段に何の不安を持つこともなく待ち構えるやうに...
牧野信一 「素書」
...すなわち牡具(ぼぐ)を明礬(みょうばん)で煮固めて防腐し乾したのを売るを別段不思議と思わず...
南方熊楠 「十二支考」
...おりかは別段の動搖も見せないで...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...外(ほか)のお方(かた)でないからここでお見せなさいな」お登和は別段に見たくもなき様子にてただハイと包みたるままを妻君に渡す...
村井弦斎 「食道楽」
便利!手書き漢字入力検索