...そういう前村長が何を意味するか、あまりに判然と、電撃のごとく閃いてきたからである...
犬田卯 「荒蕪地」
...判然としないまま男はだるそうに眼を閉じた...
梅崎春生 「日の果て」
...高城の声が風に飛ぶので判然としないらしい...
梅崎春生 「日の果て」
...塀の上の目鼻も判然としない杓文字(しゃもじ)に似た小さい顔が...
太宰治 「春の盗賊」
...判然と私のこの推定を裏書きしてまいったかも...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...判然と形をつかまえることが困難であるので...
知里真志保 「あの世の入口」
...しかしまだ雌雄の区別が素人目(しろうとめ)にはどうも判然としない...
寺田寅彦 「あひると猿」
...イデオロギーの意味が判然となる(イデオロギーという言葉がド・トラシの観念学から出て...
戸坂潤 「科学論」
...こういう道徳的希望や道義的な処方には判然とした限度がある...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...凍結線といっても湿った土は零度で判然と凍るものではなく...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...帝王と云う観念が急に判然とします...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...一も判然とした定義がなく...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...判然として対照している...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...此頃の樣子は判然とは知らなかつたけれども...
林芙美子 「雨」
...その場のありさまが判然と呑みこめなかつたが...
林芙美子 「瀑布」
...判然としているようで明瞭でない...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...この寒藤がA紙の政治部にいたときだな」どういうことがきっかけになったのか判然としないが...
山本周五郎 「季節のない街」
...手近の山すら判然とは見わかない...
若山牧水 「熊野奈智山」
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