...判然とした事は承知しないが...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...のみならず社会的条件などはその社会的条件の中にゐる僕自身に判然とわかるかどうかも疑はない訣(わけ)には行かないであらう...
芥川龍之介 「或旧友へ送る手記」
...偉い詩人が生まれるかどうかは誰も判然とは保証出来ぬ...
芥川龍之介 「又一説?」
...すこしも明瞭にならず判然ともしない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...北半球と南半球とを判然と区別して置かぬと承知ができかねる...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...等々のことは余り判然としないのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それすら判然としないようなところにも現れる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...そこの軟らかい土の上に馬蹄の跡が判然といくつもついていた...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...歴史的社会の社会科学的分析に際して最も判然と現われる...
戸坂潤 「辞典」
...近世の階級社会に於ては判然とした対立があるので...
戸坂潤 「辞典」
...まだ判然とはしないようだ...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...霰になるとその傾向は更に判然となり...
中谷宇吉郎 「雪」
...それが眼に見えない壁で判然と分けへだてられていることがよく分った...
中谷宇吉郎 「私の履歴書」
...欧洲と亜細亜との境界は山でも海でも判然としたものでない...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...何うすることも出來ない事だけが判然と解つた位のものです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...判然と頭にうかんで来たのだった...
室生犀星 「後の日の童子」
...それだけは判然と...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...漸次判然と云ひ來つて...
若山牧水 「姉妹」
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