...のみならず社会的条件などはその社会的条件の中にゐる僕自身に判然とわかるかどうかも疑はない訣(わけ)には行かないであらう...
芥川龍之介 「或旧友へ送る手記」
...等々のことは余り判然としないのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この区別を判然と立てないためにいろいろの疑問が起こったり議論があったりする場合が多いように思われる...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...もっと大規模にそしてもっと判然とした形で現われているものに...
戸坂潤 「科学論」
...之が著しく高度に公共化し又著しく判然と伝承され得る場合は...
戸坂潤 「科学論」
...そのイデオロギー性に対してどれ程判然とした興味を持っているかを見るがいい*(但し物理学者自身は之をイデオロギー性とは名づけない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...カントが批判し脱却しようと力めた啓蒙主義の特有な合理主義・矛盾律中心主義に対する判然とした批判を意味している...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...判然と示証することは出来ないけれども...
中原中也 「新短歌に就いて」
...好奇の念が判然と彫りつけてあったのは...
夏目漱石 「坑夫」
...もう少し判然としてくれ...
夏目漱石 「それから」
...なぜこんな相違があるかに至っては解剖して見るまでは判然と自分にもわからなかったのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...また判然と証拠(しょうこ)のない事だから云うとこっちの落度になる...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...やはり判然とせねばならぬ...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...之が君等に判然とわかるか...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...扨自分は如何なる人間なるやといふにおのれのことを判然といひがたけれども...
正岡子規 「読書弁」
...昔のやうに判然としなくなつた...
宮原晃一郎 「科學的の神祕」
...それが本質を失い本質を歪めている事が明瞭に徹底的に判然とした瞬間に...
三好十郎 「俳優への手紙」
...」馭者の残した強迫状踏みにじられた草の中に賊の通った跡が判然と分った...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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