...高城の声が風に飛ぶので判然としないらしい...
梅崎春生 「日の果て」
...兇器に判然と附着するほど出血したのでもなければ...
大阪圭吉 「闖入者」
...主人の首が恐ろしい様子になった事は月の光で判然と分った...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...作者の心理過程の描写の正否を判断する標準が判然としていない...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...判然とした業績は判らないのであるが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...目に入るものは蒼茫(そうぼう)たる暮烟(ぼえん)につつまれて判然としていなかったのも...
永井荷風 「元八まん」
...阿爺があの通り気の長い人だもんだから」「こっちでも判然とは断わらなかったんでしょう」「そりゃ今までの義理があるから...
夏目漱石 「虞美人草」
...書生と若旦那の区別を判然と心に呼び起さざるを得なかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...鶏卵(けいらん)にたとえていえばちょうど黄身(きみ)も白身(しろみ)もまだ判然と分かれておらぬ程度である...
新渡戸稲造 「自警録」
...進んで行く道も判然とするであろう...
林芙美子 「清貧の書」
...我(われ)にも我が判然とは分るまい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...夫の偶然の形に蔽われて判然とは解らぬものなり...
二葉亭四迷 「小説総論」
...扨自分は如何なる人間なるやといふにおのれのことを判然といひがたけれども...
正岡子規 「読書弁」
...未来の事でも判然とわかってしまう訳である...
正岡子規 「病牀苦語」
...眺望がきかぬのでどのくらい登ったかも判然とせず...
松濤明 「春の遠山入り」
...自殺か他殺かも判然とせぬほど...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...手近の山すら判然とは見わかない...
若山牧水 「熊野奈智山」
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