...その間の境界も判然とあるごとくに思われるが...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...塀の上の目鼻も判然としない杓文字(しゃもじ)に似た小さい顔が...
太宰治 「春の盗賊」
...そこの軟らかい土の上に馬蹄の跡が判然といくつもついていた...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...判然とした業績は判らないのであるが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...この道具のために意志の働きが判然とあらわれてくる...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...帝王と云う観念が急に判然とします...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...――判然とは今言いにくいが――まあつまり...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...猫の中(うち)でも他(ほか)の猫じゃない吾輩である事が判然とわかるように立派に描(か)いてある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...やはり判然とせねばならぬ...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...進んで行く道も判然とするであろう...
林芙美子 「清貧の書」
...夫の偶然の形に蔽われて判然とは解らぬものなり...
二葉亭四迷 「小説総論」
...それらの小説からも判然と區別されるのである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...我々はヘーゲルの哲學に於てさへ判然とその影響を認めることが出來る...
三木清 「歴史哲學」
...かの事の起源はあれと一々判然と断言しがたく...
南方熊楠 「十二支考」
...四谷と新宿の境界は大木戸によって判然と劃(かく)されていた...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...もっとも判然としているのは...
山本周五郎 「季節のない街」
...あるときが來れば僕の氣持ちが判然とするだらうと思はれたから...
横光利一 「書翰」
...この判然と分れた心の距離...
横光利一 「夜の靴」
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