...がん首の根がつぶれた煙管(きせる)に刻み煙草をつめ初める...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...勇もお綱も食事を初めるのを待つてゐた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...靜な山の彼方此方(あちこち)から櫻の花片(はなびら)の一とつ/\にその優しい餘韻を傳はらせ初めるのだと思つた時に...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...この男の仕事を初める物の音に...
津村信夫 「猟人」
...やきいも屋を初めるんだ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...やがて今日も坂上にのみ残って薄明(うすらあかり)も坂下から次第に暮れ初めると誰からともなく口々に...
水上滝太郎 「山の手の子」
...雪の下では春の浮動するものが生き初めるころは...
室生犀星 「抒情小曲集」
...名前をたしかツル子さんといったっけが……東京へ越して来て鼓のお稽古を初めると間もなく...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...意識の自然分解作用がポツポツあらわれ初める...
夢野久作 「木魂」
...到着すると直ぐに興行を初めるように手配りをするのが普通であるのに...
夢野久作 「暗黒公使」
...挙動が全く別人のようになる……すなわち心理遺伝の夢遊発作を初める……又はそうした発作を続けて来た人間が同じ暗黒状態の経過の後(のち)に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...レターペーパーを拡げて手紙を書き初める...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...時には三人で大議論をオッ初める事もあるが大抵のことは呉羽嬢の主張が通るらしい」「その支配人の笠という男はドンナ人間ですか」「僕に負けんくらい巨大(おおき)な赭顔(あからがお)の...
夢野久作 「二重心臓」
...それからその尻を嗅(か)ぎ嗅ぎ毛唐の野郎がくっ付いて行って仕事を初める...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...これは春先から対州(たいしゅう)の沿岸を洗い初める暖流に乗って来た鰤の大群が...
夢野久作 「爆弾太平記」
...渦の中へ巻き込まれるように急にグルグル廻り初める...
吉川英治 「江戸三国志」
...博奕(ばくち)なども初めるが...
吉川英治 「無宿人国記」
...ボートルレはレイモンド嬢を怪しいと思い初めるようになったのだった...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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