...また士族などが商売を初める者が多く...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...おしろい花の実が黒く色づき初める...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...小供は安心して眠つてゆく臺所ではやかんのふたが踊り出し水と火が喧嘩を初める俺は櫛めを又探す然し櫛めは何處かにはさまつて出たくても...
千家元麿 「自分は見た」
...まあそんなことにして初めるとしよう...
相馬泰三 「六月」
...この家も近く宿屋を初めるつもりらしい...
種田山頭火 「行乞記」
...この男の仕事を初める物の音に...
津村信夫 「猟人」
...やきいも屋も初めるんだ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...日頃(ひごろ)は閑卻(かんきゃく)している慚愧(ざんき)と絶望の念(ねん)が動き初めるにつれて...
永井荷風 「ひかげの花」
...自分の易断の自慢話を初める...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...その時この鳶色の奥にぽたりぽたりと鈍き光りが滴(したた)るように見え初める...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...両方の漁師は到頭舟を接して殴り合いを初めるに至ったのである...
松永延造 「職工と微笑」
...まず顔に目をひかれ初めるものであるという人間の素朴本然な順序に...
宮本百合子 「あられ笹」
...到着すると直ぐに興行を初めるように手配りをするのが普通であるのに...
夢野久作 「暗黒公使」
...今度は身体(からだ)中に蝨(だに)がウジャウジャとタカリ初める...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...アリガトウ……って云ったきりドンドン他の場面を撮り初めるじゃないの...
夢野久作 「二重心臓」
...婦人はもう五十歳あまりになっていて主人に死なれ家もなければ子供もないので東京の親戚の所で暫く厄介になってから下宿屋でも初めるのだという...
横光利一 「機械」
...何か商用らしい手紙をスラスラ書き初める...
吉川英治 「江戸三国志」
...格子の外から歩き歩き読み初める...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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