...初めて家の棚の上にある毒を飲んだと云つた...
有島武郎 「お末の死」
...初めてそこに坐って酋長と言葉を交えることを許されたのを見たという...
大杉栄 「奴隷根性論」
...初めて夢から醒めたようにザワめき出した...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...父と娘との初めての対面...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...計画はそのような目的を有って初めて計画であり得た...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...初めて他人の男と――それも...
直木三十五 「南国太平記」
...初めて見るやうななまめかしさだつた...
林芙美子 「浮雲」
...オオデンゼで芝居といふものに初めて行つたときのこと(そこでは前にも私が言つたやうにすべて獨逸話で演出されてゐたが)私は「ドナウの小婦」を見た...
堀辰雄 「(アンデルゼンの「即興詩人」)」
...物理學に於て解明されるやうな時間にして初めて...
三木清 「歴史哲學」
...はは、いえさ、私にしたって、昔の事を思い出すと、あんな事で春子さんをシンからうらんだ事があるからのし、初めて会っても、あんまり虫が良すぎるという気がして、正直、憎らしかったわな...
三好十郎 「樹氷」
...「――いゝえ違ひます」ぼくの前に居た河童は、初めて、口をひらいた...
吉川英治 「折々の記」
...その大兵が山を離れるや初めて袋づつみとして殲滅(せんめつ)にかかった...
吉川英治 「三国志」
...「こよい初めて、沁々(しみじみ)と、虫の音(ね)の秋を、耳の底に覚えたわえ...
吉川英治 「私本太平記」
...拙者が初めてこの山寨を頼って来たときも...
吉川英治 「新・水滸伝」
...小馬鹿にされ初めてきた...
吉川英治 「親鸞」
...やがて、梨丸が、将門を、背に負って、はいって来たのを見て、翁も媼も、初めて、顔いろを、失った...
吉川英治 「平の将門」
...寿町の松浦為王氏の俳句会へ初めて出席...
吉川英治 「年譜」
...スペイン人が初めて日本の地を蹈んだのは...
和辻哲郎 「鎖国」
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