...初めて酒という物に酔って見たと答えた...
岩野泡鳴 「耽溺」
...しかし私は初めてからそんな心はしなかった...
内田魯庵 「温情の裕かな夏目さん」
...初めて見るような面持で見上げた...
海野十三 「蠅男」
...そのとき初めて知つた...
薄田泣菫 「茶話」
...そうして私が初めてあの少年や老爺たちに逢った時からかれこれおよそ一カ月くらいも過ぎ去った頃ではなかったかと思われる...
橘外男 「逗子物語」
...今女あるじから初めて...
近松秋江 「霜凍る宵」
...くれるくらいなら古着屋へ売っちまう」左(と)に右(かく)二人は初めて揃(そろ)って...
徳田秋声 「あらくれ」
...初めて商売に出て...
徳田秋声 「爛」
...或る手懸りを得た後に初めて決定されるべきであって...
戸坂潤 「科学方法論」
...初めて見るかのようにじっとキミ子の上に視線をすえて...
豊島与志雄 「立枯れ」
...アメリカへきて初めて知った...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...初めてハッと我れに返った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...初めて山村は微笑を洩した...
牧野信一 「妄想患者」
...所謂戰鬪的唯物論(der kmpfende Materialismus)にして初めて能く現代を單に結果としてのみならずまた同時に過程として把握し得る...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...初めてこの二十世紀になつて...
吉川英治 「折々の記」
...ようしやった」彼の母は、京都から一先ず帰郷した甚助を迎えて、初めて、心から綻(ほころ)んだ笑(え)顔を子へも見せたろうと思われる...
吉川英治 「剣の四君子」
...我より問われて初めて答えをなすなど怠慢至極(たいまんしごく)だ...
吉川英治 「三国志」
...パリの批評家にしてウィーンの青年文学者に愛慕せられたサルセエ氏もこの年初めて彼女を見て...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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