...途端に街上に権四郎を切捨てた黒装束の主とが全く別の人物だったことを証言した...
海野十三 「くろがね天狗」
...河の中へ捨てようか旧い記憶を一切捨てて明るい気分に帰ろうかと決心しかけても...
豊田三郎 「リラの手紙」
...ほどなく切捨てたるにや...
久生十蘭 「玉取物語」
...縫いたる糸の引詰まったるがありと言いて切捨てたれば...
久生十蘭 「玉取物語」
...あるいは切捨て御免などの法あり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...士分の者に対して無礼を加うれば切捨て御免という法あり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...馬に乗れば切捨てられたる百姓町人の少年輩が...
福沢諭吉 「徳育如何」
...そのクソの付いた所だけを切捨てて...
三好十郎 「恐怖の季節」
...それに大きい牡蠣は周囲(まわり)の薄黒いベラベラしたものを切捨てないと渋味も出ますし...
村井弦斎 「食道楽」
...その上からまたパン一枚をピタリと合せて縁(ふち)の硬(こわ)い処を切捨てて中も四つ位に切ります...
村井弦斎 「食道楽」
...彼らのいうように「きれい」に処理したり切捨てたりする勇気も才覚も...
山川方夫 「愛のごとく」
...「いや、よしたまえ」無遠慮に、八十吉が続けようとする言葉をさえぎって、秀之進はきっぱりと云った、「君の悩みには同情するが、それは自分で乗り越えなければならぬことだ、時代そのものが悩み苦しんでいる、われわれはその苦しみ悩みの中にいるんだ、それを自分の力で克服したところに道がある……君が、少なくともおれを斬れなくなった変化にぶっつかっていることだけでも、無意味じゃない、われわれにはひじょうな努力と根気を以てしなければ、切捨てることのできない多くのものがある、それを切捨て、そこから新しい道へ踏みだすことは、普通のことでは不可能だ、同時にその不可能を可能にすることが……われわれの唯一の生きる道だ、江戸へ帰りたまえ、腫物(はれもの)は根から剔抉(てっけつ)しなければ治りゃしないぞ」新島八十吉は黙って頭を垂れてしまった...
山本周五郎 「新潮記」
便利!手書き漢字入力検索