...いっそう切実なる世の中の断面を見せて呉(く)れる...
太宰治 「もの思う葦」
...食べることは味ふことの切実なるものである(殊に老境に於ては...
種田山頭火 「其中日記」
...そういう検定方法は切実な要求さえあらばいくらでもできるはずであるのにそれが実際にはできていないとすれば...
寺田寅彦 「断水の日」
...実際的な切実な意味を持っているかを理解しないようである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...切実な信頼の念をもって自分を見入り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...このくらい切実な経験は自分の生涯(しょうがい)中に二度とありゃしない...
夏目漱石 「坑夫」
...だから本当の意味で切実な駆落をするのは自分だけだと云うありがたみがつけ加わってくる...
夏目漱石 「坑夫」
...しかしその色の裏面には落第と云う切実な問題が潜(ひそ)んでいる...
夏目漱石 「坑夫」
...切実なる運命の極致を写すのを特色とする...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...切実な問題だつたが...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...無生物に切実な肉感を覚ゆるピグマリオニストなんて称ふ変質者はおそらく伝説か...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...永遠に人間的なるものの生命のメロディーとリュトムスとを感得しようと云ふのが人々の切実な要求であるのでせう...
三木清 「消息一通」
...その教法が自己を救うものであるか否かという切実な問の前には...
三木清 「親鸞」
...ところが今日のわたしたちの一方の耳からは絶えずソヴェトに対する中傷や事実の不明な流説がつぎこまれるためにソヴェト社会の実際をありのままに知りたいという気持は一層切実な要求となっている...
宮本百合子 「あとがき(『モスクワ印象記』)」
...こんにちの文化の底辺をそこに発見しようとする切実な心がある...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...切実な議論をするのなら...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...切実な愛のしるしではないのかしら……?良子は花束に手をのばした...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...それは人としての岸田君の切実な内生を示すものである...
和辻哲郎 「『劉生画集及芸術観』について」
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