...今や知識と美とを特権階級の独占より奪い返すことはつねに進取的なる民衆の切実なる要求である...
岩波茂雄 「読書子に寄す」
...大声に切実な叫びをあげるものもいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そういう検定方法は切実な要求さえあらばいくらでもできるはずであるのにそれが実際にはできていないとすれば...
寺田寅彦 「断水の日」
...実際的な切実な意味を持っているかを理解しないようである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...文化への真に切実な関心は社会に実在する文化への関心であった筈だ...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...「考える」とか「思う」とかいう極めて切実な日常的真実は哲学の外へ追放されたりして了うというような次第である...
戸坂潤 「思想としての文学」
...教授は法律学者であり法律の中でも特に切実な刑法の学者だ...
戸坂潤 「社会時評」
...長子の時のような切実な感情が湧かない...
外村繁 「澪標」
...これほど切実な経験はありません...
夏目漱石 「創作家の態度」
...この切実な思いは胸にせまって緊(し)めつけて来た...
本庄陸男 「石狩川」
...烈々たる寒風に吹き荒まれて目のあたりに魂を引き千断られる思ひの切実なる寂寞と...
牧野信一 「痩身記」
...アジアでもまったく共通な一つの切実な課題の前に立たされているのですから...
宮本百合子 「国際婦人デーへのメッセージ」
...それこそお母さんとして一番切実なものであるわけですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...凡ての墳墓は一国の信仰の切実な表現なのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...万三郎は単に仕事の上の協力者と考えていたが、印象に残っているのは、もっと切実な、もっと根の深い感じのものであった...
山本周五郎 「風流太平記」
...性的の衝動の高潮と切実なる関係を有せる事実に徴(ちょう)する時は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...荊州の国は御身が受け継いでくれるように」遺言にひとしい切実な頼みであったが...
吉川英治 「三国志」
...この意味で自己否定という事が自分には切実な問題になって来た...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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