...痛快に切れ味よくその往く可き道を進んだ一生であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...メスの切れ味の並々ならぬことがよく分った...
海野十三 「人体解剖を看るの記」
...切れ味を示したのち...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...主膳は刀を差しながら、「昨夜も、小林と申す剣道の師範役の高弟が斬られたのじゃ、斬った奴は何者だともまだわからぬ、奉行の手でもわからぬし、城内の者にも心当りがない、しかし斬り手は非常な腕だ、それで甲府の上下、身の毛を慄立(よだ)てているが、困ったものじゃ」「うむ」「もし貴殿の眼でも見えたなら、こういう時には、その曲者(くせもの)の眼に物見せてやろうものを、あたら英雄も目無鳥(めなしどり)では悲しいことじゃのう」「目が見えたら辻斬をして歩く方へ廻るかも知れぬ」「ははは、そうありそうなことじゃ」神尾主膳はなにげなく笑いましたが、この時はじめて気のついたように、「竜之助殿、あの長持の中の物、あれを貴殿にお任せ申そう、安綱の切れ味、ことによったら、あれで試して御覧あれ」「よろしい」主膳は別に長持へ近く寄ってそれを改めてみようともしませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...流石にエッヂの切れ味は立派ではあるが...
中谷宇吉郎 「スポーツの科学」
...本当の切れ味は俺の備前物の方が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...最初は新刀の切れ味を試す心算(つもり)でやったのでしょうが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「八、此穴をあけた刄物は何だと思ふ?」平次は、陽に晒(さら)されてひどく脆(もろ)くなつて居る二分枚と、それを紙のやうに切つた、刄物の切れ味、凄い手際などを、熱心に調べ乍ら言ふのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...六助がその切れ味を自慢すると『一分正宗』などと冷かしていた――と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...母は祖母から讓られたものでせう」切れ味の良い剃刀を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...切れ味の冴えた肉のしまり...
長谷川時雨 「初かつを」
...広津のノミの切れ味は鈍い...
三好十郎 「恐怖の季節」
...研ぎ上った剃刀を頭へあてがい切れ味を試した...
矢田津世子 「凍雲」
...また切れ味が冴(さ)えているのが気附かれます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...同姓俊基の余りに切れ味のよすぎる弁舌を...
吉川英治 「私本太平記」
...さあ、買ってやるから、切れ味を見せろ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...平常の仕事ぶりも切れ味がわるいし...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...自身で鍛ったこの刀の切れ味を試してみようとしたのですと...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索