...行く手に黒ずんで見える楡(にれ)の切り株の所まで腰から下まで雪にまみれてたどり着くと...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...そして懐中からいつものスケッチ帳を取り出して切り株の上に置いた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...松は三本とも大きい切り株ばかり残ってるが...
伊藤左千夫 「落穂」
...もっときれいな菌類が蝶のようにまた貝のように――植物であるメクラ貝だ――切り株をかざる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その切り株を夥(おびただ)しく燃やして...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...三毛と玉(たま)とは縁側の踏み台になっている木の切り株の上に並んで背中を丸くして行儀よくすわっている...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...藤野は他人の番の時には切り株に腰をかけたり草の上にねころんだりしていつものように考え込んでいるが...
寺田寅彦 「花物語」
...「首切り人が六時間後にお前の切り株にじゃれるように...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...哀れな切り株にきいた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...その切り株があわてて...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...『何をこのむく犬め』と、白水はいきなり怒鳴りつけて、そこにあった椅子(いす)を振り上げかけたが、切り株が止めた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...切り株浸水事件の後に...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...あのアルザスの太った切り株野郎は? デルフィーヌ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...大きな切り株へキャラコさんを掛けさせると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...切り株に座って、邸宅を見ながら話そう」第四章 過去スライトは月光を浴びて立ち尽くし、動揺し、唇が震えていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...切り株に腰かけた邦夷が塑像のように堅くなって見送っている...
本庄陸男 「石狩川」
...ただその切り株だけが生存し...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...既に刈り終った四五枚の水田に切り株が点々と闇の中に没しています...
三好十郎 「樹氷」
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