...もちろんこの矛盾を切り抜ける安価な妥協的思想もないことはない...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...目前の災難を切り抜ける妙案も思い当りませんから...
芥川龍之介 「妖婆」
...この難関を切り抜ける気力がなくてはならぬ...
大隈重信 「我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか」
...いかにしてこの危機を切り抜けるかという問題で...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...切り抜ける手はいくらもあるが...
夏目漱石 「虞美人草」
...しかし津田はこれでどうかこうかその場だけを切り抜ける事ができた...
夏目漱石 「明暗」
...なるべくここは好(いい)加減に迷亭の鋭鋒をあしらって無事に切り抜けるのが上分別なのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「牧師になって困惑を切り抜けるように」と勧めるほかはなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...これを切り抜けるのは厄介だぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...切り抜けるだけであった...
本庄陸男 「石狩川」
...難場を切り抜けるだけの心支度をする外はないのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...これも急場を切り抜けるためのアルバイトではなかったろうか...
武者金吉 「地震なまず」
...私もそれがこの押し黙ったところから切り抜けるために必要なような気がした...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...みんなで無事に切り抜けることは...
山本周五郎 「風流太平記」
...建物の影を切り抜けるたびごとに...
横光利一 「上海」
...この特殊な千鶴子の母との苦境を切り抜ける自然の力だと思うのだった...
横光利一 「旅愁」
...惨憺(さんたん)たる逆境を今――いかに切り抜けるかに一人苦しんでいたのが...
吉川英治 「新書太閤記」
...私にとっては一つの憂愁を切り抜ける事はいくらかの成長になります...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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