...殊に誰か僕の後ろで「御臨終御臨終」と言った時には一層切なさのこみ上げるのを感じた...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...その心の切なさをギュッと噛んだ可愛い唇に辛うじて持ち耐えているといった風情(ふぜい)だった...
海野十三 「雷」
...そのための切なさが...
高見順 「いやな感じ」
...生き伸びる切なさをも考へた...
種田山頭火 「旅日記」
...あの綱張りの中にはいるには如何ほどの金がいるかと率直に聞けなかった切なさとを...
豊島与志雄 「母親」
...この玉の緒の絶えなんとすることほどの切なさが...
中里介山 「大菩薩峠」
...下々の怨の声を聞く時の辛さ切なさ...
野村胡堂 「礫心中」
...――こんなことで、一葉に負けない小説が書けるか――悦びといまいましさと、切なさが、幻燈の花輪車(かりんしゃ)のように、赤く黄色く青く、くるくると廻る――そんな時に、国許(もと)へ帰れと呼びかえされた...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...締めつけられるような切なさに堪えられぬといった気持ちがして...
長谷川時雨 「樋口一葉」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...切なさうに喉を鳴し...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...甘い切なさを感じた時...
牧野信一 「環魚洞風景」
...その歎声が如何にも真に迫つて切なさうだつた...
牧野信一 「病状」
...切なさうに胸をおさへて何時までも突伏して身悶えをした...
牧野信一 「風媒結婚」
...彼の温容が心を打ったこと、並、人生の切なさ、恐ろしさ、平凡の底に湛えた切迫さ、真剣さを、一時に感じ、涙となったと云ってよい...
宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
...云うに云われぬ切なさ辛(つ)らさが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...お前には武士の切なさは分るまい」「それ故...
吉川英治 「江戸三国志」
...この体をもてあましている切なさ...
蘭郁二郎 「歪んだ夢」
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