...この老爺(だんな)は姓を白(はく)といい城内切っての挙人であるから改めて姓をいう必要がない...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...小石川は伝通院(でんずういん)前の伊勢長(いせちょう)といえばその頃の山の手切っての名代の質商伊勢屋長兵衛方へ奉公した...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...界隈(かいわい)切っての美人だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...中目黒切っての物持ち...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの野郎は浅草切っての悪党だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...下町切っての良い顔になっておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小石川切っての大地主で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...東京十五大新聞切っての凄腕...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...見世物切っての縹緻(きりょう)よし...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...江戸切っての女伊達(おんなだて)とも思われるのに――」「いいえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あたしのお礼は気に入りましたかい? 芝居がかりで、面白いと、感心してくれますかい? 太夫さん! 親方さん! ええ大坂表、大江戸切っての、人気者の女がたさん! おまえさんが、怨霊どもに奪(と)られたら、天下の御ひいきの御婦人がたは、ずいぶんがっかりするだろうねえ――さあ、あたしにばかりしゃべらせていないで、雪之丞さん、何とかお言いな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...多計代の反対をおし切ってのことであったから...
「おもかげ」
...この製鉄所切っての怪力の持主で...
夢野久作 「オンチ」
...正木院長から名前を尋ねられた時にも「妾(あたし)は舞踏狂よ……アンナ・パブロワよ」と答えたという病院切っての愛嬌者で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...親分生活は嫌いながらにあの辺切っての睨み上手の...
夢野久作 「二重心臓」
...東洋切っての漁業通だという事を...
夢野久作 「爆弾太平記」
...「久離(きゅうり)切っての勘当」を云い渡す親達の怒った眼と正反対に涙ぐましい鼻の表現――そこにすっかり現われている千万無量の胸のうちは...
夢野久作 「鼻の表現」
...日を切っての急工事なのだった...
吉川英治 「私本太平記」
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