...一人函館を去つて海路から上京したのである...
石川啄木 「悲しき思出」
...活字函(ケース)を転覆(ひつくらかへ)して家へ帰つたさうだとか云ふ噂が...
石川啄木 「菊池君」
...後藤君が此函館に来たについちや...
石川啄木 「漂泊」
...植民地的な、活気のある気風の多少残ツてゐる処もあるかも知れないが、此函館の如きは、まあ全然(まるで)駄目だね...
石川啄木 「漂泊」
...小函がハルピン虎の手にあることを知り邸内に忍びこんで...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...その四角の黒函(くろばこ)をグルリと取り巻いた...
海野十三 「蠅」
...眠り薬よ」葉子はハンド・バッグからアダリンの函を二つ出して見せた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...しかも飛び退いて声を呑んでじっと函の中の物を瞶(みつ)めていた五...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...暫(しばら)くの間は函に這入っているけれども...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...目前の事実としてちゃんと鼻のさきの小函(こばこ)に入れてあった...
寺田寅彦 「夏」
...この日この火元から発した火によって必然焼かれうべき扇形の上にあたかも切ってはめたかのように函館全市が横たわっていたのである...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...青木堂でラヘルを二函(ふたはこ)紙に包んでもらって...
徳田秋声 「黴」
...函の中へ手を入れると...
直木三十五 「南国太平記」
...大きい手函の中の書類を...
直木三十五 「南国太平記」
...いわば函数的である...
中井正一 「レンズとフィルム」
...函館はその南であり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...アイスクリームの色が、今よりも、ずっと黄色かったことと、函館屋の照明が、青白いガスだったことを、覚えている...
古川緑波 「甘話休題」
...『淵鑑類函』四三一に司農卿揚邁(ようまい)が兎の幽霊に遇った話を載せ...
南方熊楠 「十二支考」
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