...函館の停車場に着くと彼はもうその建物の宏大もないのに胆(きも)をつぶしてしまった...
有島武郎 「カインの末裔」
...函館に錨を下した汽船の舷梯から船客はいそ/\と笑ひ興じながら岸をめざして降りて行つた...
有島武郎 「潮霧」
...最後に高地へ来ると、函館と湾とが、素晴しくよく見えた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...函館にも芸妓(げいしや)が居るか...
石川啄木 「漂泊」
...札幌でも、小樽でも、函館でも、これまでは、浪花節と云へば奈良丸より知らなかつたのであるが、前者が大黒座でたツた一週間打つたのに、それだけで札幌は後者を忘れてしまつたかの樣に賑はつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...これが弾丸(だんがん)に合うかどうか」と警部はやおら立って傍(かたわ)らの硝子函(ガラスばこ)から弾丸をつまみ出すと薬莢に合わせてみた...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...それは安楽椅子(あんらくいす)の上に放りだされてあった紙装(かみそう)の小函(こばこ)だった...
海野十三 「蠅男」
...ぼくの取付けられている機械は、函から出された...
海野十三 「もくねじ」
...しかし檜枝岐から郵便物を投函すると...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...かくて第三の函の一角も...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...また思い出したように函の嵌め込みに視線を送ってみたり...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...いわんや木函は前回の七倍八倍に達する容量を要し...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...押入の奥のサイダの函から首を出して術(じゅつ)なさそうに見ていた時...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...[1] dapa+(qb-ob)=qbまた u=Φa,1(q), u=Φb,1(q) をそれぞれ(A)及び(B)が消費量の函数としてこの人に対してもつ有効利用を表わす式であるとし...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...テーブルのうえにあった腕環の函を鷲づかみにすると...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...パンドラの函を開いたことになるかもしれない...
中谷宇吉郎 「未来の足音」
...私は水際へおりて行って、函を引よせては、中の玉葱を岸の上の人に手渡した...
原民喜 「原爆回想」
...そして投函した次の日からもう胸をわくわくさせてゐる...
北條民雄 「癩院記録」
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