...出鱈目に手を出すと何本かの竹が握れる...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...ただ出鱈目に放言なさつたのがたまたま運よく的中したといふやうなものではなく...
太宰治 「右大臣実朝」
...ただ出鱈目にカンヴァスに絵具をぬたくって...
太宰治 「斜陽」
...あのひとはご自身のそんな出鱈目に...
太宰治 「斜陽」
...出鱈目にやったことではなくて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...出鱈目に歩き出そうとする...
谷譲次 「踊る地平線」
...おしまいのほうがきっと出鱈目になっちまうんですわ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そして、鉢巻をしめて高座へ上って、手をかざして、延び上りながら品川沖を、見渡せばハリスや、ハリス帆をハリス煙をハリス、黒船が来たっ、こりゃ、ばかりで腰が抜け見たっ、こりゃ、ばかりで胆つぶれと、唄いながら、出鱈目に、踊り出した...
直木三十五 「南国太平記」
...その出鱈目にも相当に根拠はあるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...元の出鱈目に戻って了う...
中島敦 「南島譚」
...已むを得ず筆を持つて出鱈目に書き付けたのが十首ばかりに成つた...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...全く出鱈目に描いたものではないのであろう...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究」
...私は出鱈目に答へた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...出鱈目に於いては人後に落ちない友人達も...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...出鱈目に雪が吹きつけた...
葉山嘉樹 「坑夫の子」
...「畜生! 出鱈目にロープなんぞ抛り出しやがって」彼は叱言を独りで云いながら...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...今日買つてきたばかりの「プルウスト」を出鱈目に披きながら讀み出した...
堀辰雄 「旅の繪」
...何ともつかぬ悶々の情を誰にともなく出鱈目に書いた手紙ともつかぬ反古である...
牧野信一 「熱い風」
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