...(干潮時に出船する釣り船のこと)...
...毎日の潮差を調べて、漁師は出船の準備をします...
...この出船の時の人々の気組み働きは...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...見送りましよとて濱まで出たが泣けてさらばが言へなんだ泣いてくれるな出船の時にや綱も碇も手につかぬこれも港の歌です...
江南文三 「相川おけさ」
...出船入船より思ひつきたる洒落なるべし...
大町桂月 「春の筑波山」
...朝夕の出船入船、落ち込む客の全盛は、花の晨雪の夕、十六島はいふも更なり、香取、鹿島、息栖、銚子の浦々まで一望に浮び、富士、筑波の兩峯は西南に連なり、眺望世にすぐれたる好境也』と...
大町桂月 「北總の十六島」
...「熊手には入船と出船というのがあるんだってね...
高見順 「如何なる星の下に」
...どういうのが出船か……」もう歳末のあわただしさを漂わしている新仲見世通りを私たちは歩いていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...それで三津浜出船の時などは...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...出船入船の賑わいを近く眺めて立ちつくしていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ボーウとサイレンが 出船みたいになつてゐる...
新美南吉 「島」
...自分は異境万里の外に死ぬかも知れない、そして同じ皮膚の色をした、日本の女の心も肉体も知らずに――と、こう言った悩みのために、幾人の若い学生が、長い童貞生活を破り、賤しい売女に接近して禁断の果実(このみ)を味(あじわ)い、出船の間際に、生涯の煩いになった、悪い病気を背負ったという例は、決して少くは無かったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...明日の出船を控えて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...出船前の室蘭における彼でもなかった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...言う通りに出船簿に判を押してやった...
久生十蘭 「奥の海」
...伊豆下田より出船...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...出船も入船も、それらの乗員たちは一勢にカルラの舞ひを見あげてゐるのだらうとおもはれるやうな鈍い滑らかな船あしであつた...
牧野信一 「或るハイカーの記」
...出船が、夫々の人数を乗せて次々に渚を越えると、陸では殆んど感じなかつたが沖に出るに従つては順風が立つてゐると見えて、赤や黄や白など、三角や四角のとりどりの帆を挙げてゐた...
牧野信一 「海路」
...出船はその島を廻つて隱れ...
正宗白鳥 「避病院」
...出船(でふね)のついでがないそうで」と...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索