...かんてらや師走の宿に寐つかれず酒を呼んで酔はず明けゝり今朝の春甘からぬ屠蘇(とそ)や旅なる酔心地(ゑひごゝち)うき除夜を壁に向へば影法師御大喪中とある故此春を御慶も言はで雪多し一年の計は元日にありと申せば随分正月より御出精...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...ひとりで医学の研究に出精したい...
太宰治 「惜別」
...あれは可笑しき坊主なりとて御目を掛けられ愚老も有難き事に存じ日々油断なく出精罷在候(まかりありさふらふ)然るところに一日愚老をお呼びなされ其方誠に物真似の上手なれば今宵女中共の慰みに見物させばやと思ふなりとて奥御殿へ召連れられ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...クラチットのお主婦(かみ)さんや娘どもの出精と手ばやさとを褒めた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...阿蘭陀通詞は別して家學に出精熱心に研究するも...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...従前通り江戸御屋敷(おやしき)御抱(おかかえ)の儒者松下先生につきて朱子学(しゅしがく)出精罷在(まかりあり)候処...
永井荷風 「榎物語」
...兀々(こつこつ)と出精(しゅっせい)しながら...
夏目漱石 「野分」
...そこで君が今のように出精(しゅっせい)して下されば...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...筆硯(ひっけん)益御清適(ごせいてき)の結果として小生の枕辺(ちんぺん)に玉稿(ぎょっこう)の山を築きこの冬も大約一万句に達し候(そうろう)事(こと)誠に御出精(ごしゅっせい)の次第とかつ喜びかつ賀(が)し奉(たてまつ)り候...
正岡子規 「墨汁一滴」
...「皆出精(しゅっせい)であったぞ...
森鴎外 「阿部一族」
...然る処年を経追々丈夫に罷成医業出精仕候に付...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...次男盤安去年中文学出精に付奉蒙御意候」の文がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ちと医業の方をも出精(しゅっせい)してはどうだ」といった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...弥々(いよいよ)出精せよという有難きお言葉である」という御沙汰であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...出精抜群の段御賞美あり...
夢野久作 「白くれない」
...学問を出精せるに非ず...
夢野久作 「白くれない」
...一層芸術に出精いたすようそちからも呉々も励ましてもらいたい」「へへッ……」――何として忠房のこの言葉に対して...
吉川英治 「剣難女難」
...以後浮薄な慢心を慎(つつし)んで家来どもにも真の武芸を出精させいと! よいか!」ワッと逃ぐるを追って呶鳴りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
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