...かんてらや師走の宿に寐つかれず酒を呼んで酔はず明けゝり今朝の春甘からぬ屠蘇(とそ)や旅なる酔心地(ゑひごゝち)うき除夜を壁に向へば影法師御大喪中とある故此春を御慶も言はで雪多し一年の計は元日にありと申せば随分正月より御出精...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...あれは可笑しき坊主なりとて御目を掛けられ愚老も有難き事に存じ日々油断なく出精罷在候(まかりありさふらふ)然るところに一日愚老をお呼びなされ其方誠に物真似の上手なれば今宵女中共の慰みに見物させばやと思ふなりとて奥御殿へ召連れられ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...いよ/\御意にかないますように出精(しゅっせい)いたしましたことでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...兀々(こつこつ)と出精(しゅっせい)しながら...
夏目漱石 「野分」
...その子の学問に出精するを見て...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...筆硯(ひっけん)益御清適(ごせいてき)の結果として小生の枕辺(ちんぺん)に玉稿(ぎょっこう)の山を築きこの冬も大約一万句に達し候(そうろう)事(こと)誠に御出精(ごしゅっせい)の次第とかつ喜びかつ賀(が)し奉(たてまつ)り候...
正岡子規 「墨汁一滴」
...出精するうち悪心起り...
南方熊楠 「十二支考」
...宮「葦男さん学校は御出精かね...
三宅花圃 「藪の鶯」
...「皆出精(しゅっせい)であったぞ...
森鴎外 「阿部一族」
...同日次男盤安去年中文学出精之段達御聴御満足思召候段奉蒙御意候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...四月二十日出精に付金五百疋...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...医業出精仕候に付...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...其口上は講書聴聞久々出精一段之事に候と云ふ文言であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...翁の出精(しゅっせい)がよかったのであろうか...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...武芸の道のみは人並外れて出精し...
夢野久作 「白くれない」
...学問を出精せるに非ず...
夢野久作 「白くれない」
...「出精すれば、上がる質だ...
吉川英治 「脚」
...必ずとも一念にご出精あれば...
吉川英治 「剣難女難」
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