...いよ/\御意にかないますように出精(しゅっせい)いたしましたことでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...従前通り江戸御屋敷(おやしき)御抱(おかかえ)の儒者松下先生につきて朱子学(しゅしがく)出精罷在(まかりあり)候処...
永井荷風 「榎物語」
...ソレカラ毎日毎日、上下(かみしも)ヲ着テ、諸所ノケンカヲ頼ンデ歩イタガ、ソノ時、頭(かしら)ガ大久保上野介ト云イシガ、赤阪喰違外(くいちがいそと)ダガ、毎日毎日行ツテ御番入リヲセメタ、ソレカラ、以前ヨリイヨイヨ悪イコトヲシタコトヲ残ラズ書取ッテ、只今ハ改心シタカラ見出シテクレロト云ッタラ、取扱ガ来テ、御支配ヨリオンミツヲ以テ、世間ヲ聞糺(ききただ)スカラ、ソノ心得ニテ居ロトイウカラ、待ッテ居タラ、頭ガ、或時云ウニハ、配下ノ者ハイツモ隠スガ、御自分ハ残ラズ行路ヲ申聞ケタ故、諸所聞キ合ワセタ所ガ、云ワレタヨリハ事大キイ、シカシ改心シテ満足ダ、是非見立テヤルベシ、精勤シロトイウカラ、出精シテ、アイニハ稽古ヲシテイタガ、度々書上(かきあげ)ニモナッタガ、トカク心願ガ出来ヌカラクヤシカッタ――」まあ、とにかく、この辺で納まれば見つけたものだ、箸(はし)にも棒にもかからぬ代物(しろもの)だが、人間にはまだ見どころがある、この神尾のように腹まで腐りきってはいないところがあると、主膳も身に引きくらべてややさとるところがありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...長者怪しみ問うと諸大士心配するな出精して水をやれといった...
南方熊楠 「十二支考」
...「霊台院様御病中出精相勤候に付」と云ふ賞賜である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...然る処年を経追々丈夫に罷成医業出精仕候に付...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...医術申合会頭出精仕候為御褒美金五百疋被成下候旨...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...同日次男盤安去年中文学出精之段達御聴御満足思召候段奉蒙御意候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...四月二十日出精に付金五百疋...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...次男盤安去年中文学出精に付奉蒙御意候」の文がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...医業出精仕候に付...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...其口上は講書聴聞久々出精一段之事に候と云ふ文言であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...年来学業出精に付(つき)...
森鴎外 「渋江抽斎」
...ちと医業の方をも出精(しゅっせい)してはどうだ」といった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...翁の出精(しゅっせい)がよかったのであろうか...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...武芸出精(しゅっせい)の張合が御座らぬ...
夢野久作 「名君忠之」
...またご縁もあらばお目にかかり申す」「随分ご出精をお祈り致しまする」「じゃ旦那様...
吉川英治 「剣難女難」
...以後浮薄な慢心を慎(つつし)んで家来どもにも真の武芸を出精させいと! よいか!」ワッと逃ぐるを追って呶鳴りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
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