...深刻に出水の苦痛を恐れて居る予は...
伊藤左千夫 「大雨の前日」
...この出水をよい事にして近所の若者どもが...
伊藤左千夫 「水籠」
...そのなかの一首に春河の雪解の出水平押しに溢れ漲ぎる國移るべくの歌に出會ふのである...
今井邦子 「雪解水」
...この秋の出水(でみづ)で...
薄田泣菫 「茶話」
...この土地に限って出水の季節に先立ち...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...(自嘲自讃の言葉)×・どうやら霽れさうな草の葉のそよぐそよぐ・はれるよりてふてふは花のある方へ・ぬれててふてふのさがす花はある・はれるとてふちよがさかやさんがやつてきた・しげるがままの草から筍のびあがる・山のみどりの晴れゆく雲のうつりゆく×なぜに涙がでるのだろ――(私の小唄)――×梅雨出水・さかまく水が送電塔へ降りしきるさみだれのむかうから人かげは酒やさん×□藪蚊□鼠□油虫×・野心的...
種田山頭火 「其中日記」
...出水が多くて釣れないといふ...
種田山頭火 「其中日記」
...清三の麦稈(むぎわら)帽子は毎年出水につかる木影のない低地(ていち)の間の葉のなかば赤くなった桑畑に見え隠れして動いて行った...
田山花袋 「田舎教師」
...其の出水を來(きた)させまいと云ふ...
塚原蓼洲 「兵馬倥偬の人」
...前の橋が出水に流されてそのあとへ新造したばかりであろうかと思われた...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...去年の出水には、石狩川が崖上(がけうえ)の道路を越して鉱泉宿まで来たそうだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ことに山国の出水(でみず)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...出水でなくても、メキシコ湾が少し異常高潮になると、海水が逆流してきて、広大な地域にわたって氾濫が起きる...
中谷宇吉郎 「異魚」
...この稀有の大出水によって...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...土方があんなに働らいてるから」本式の橋が去年の出水(でみず)で押し流されたまままだ出来上らないのを...
夏目漱石 「明暗」
...満々と出水(でみず)になるようしかけておいた計略ではないか...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――その出水の水が引かないうちに...
吉川英治 「平の将門」
...屹度(きっと)」出水に洗われた川砂を掘りちらして...
吉川英治 「宮本武蔵」
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