...正造は東京にあって新聞の片隅に「渡良瀬川出水一丈一尺尚増水中」の電文を見出すと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...正造は舟津川まで行って出水でかえれなくなった次第を話して...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...けふは霽れさうな雲が切れると煤煙・ここに旅の一夜がまた明けて雀のおしやべり晴れるとどこかで街の河鹿・出水のあとのくづれたままの芽ぶいてゐる博覧会場にて眼とづれば涙ながるゝ人々戦ふ・春雨に濡れてラクダは動かない...
種田山頭火 「旅日記」
...前の橋が出水に流されてそのあとへ新造したばかりであらうかと思はれた...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...去年の出水(みず)で流されてしまったのよ...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...長吉(ちやうきち)が出水(でみづ)の中を歩いて病気になつたのは故意(こい)にした事であつて...
永井荷風 「すみだ川」
...それでも井堰(いせき)を溢るる出水のように...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうした出水のあとには...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...本州の半ば以上の各河川に出水をみている...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...それでせっかく大出水があっても...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...横網に一銭蒸汽ちかづくと廻るうねりも君おもはする深川の秋は若しやの床を吊り春雨やや有つて女優琴平町へ越し夜刃郎前の句の出水地区は云はでも分らう...
正岡容 「大正東京錦絵」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...度々(たびたび)の出水に次(つぎ)から次と削(けず)られて行きましたが...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...出水があっても岸を溢(あふ)れて...
柳田国男 「海上の道」
...二十年ほどまえの出水で流れが変り...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ははは」それは出水の中を逃げるあのときのことだ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...出水あとの堤崩れが見える一喬木(きょうぼく)の下に...
吉川英治 「新書太閤記」
...お蔭で早く出水が退(ひ)いたとか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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