...奥様に云いつけられたお使いを、思いの外(ほか)早くすませて帰って見ますと、丁度そのお方も格子を開けてお帰りになるところで、出会いがしらに、電燈の光で、たった一度お顔を見たことがございます...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...出会いがしらにすぐそないいうのんです...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...出会いがしらにルーシンが言った...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...彼は、彦一がやって来るのを認め、道を避けて佇み、通りすぎるのを待ってるのか、或るいは、出会いがしらに、ひょいと横へ退いたのか...
豊島与志雄 「ものの影」
...出会いがしらにこういって...
平林初之輔 「祭の夜」
...櫓下附近で出会いがしらに訊ねた...
吉川英治 「黒田如水」
...過って出会いがしらに...
吉川英治 「三国志」
...そして、車大路へ出ると、出会いがしらに、大和街道から北へ、眼のいろ変えて走って来る六波羅捕吏の一群があった...
吉川英治 「私本太平記」
...出会いがしらに寧子(ねね)が姿を現わしたので...
吉川英治 「新書太閤記」
...辻の出会いがしらに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そして町中の孔子(こうし)さまの社(やしろ)まで来ると、汚い細路次の蔭から、一見居職(いじょく)とわかる猫背の男がヒョコヒョコ出て来て、出会いがしらに、「おお蕭譲じゃねえか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...殿は』出会いがしらに顔を見合った側用人(そばようにん)の片岡源五右衛門に訊ねた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...すると、出会いがしらに、『左右田、何処へゆくのか』『おッ、木村丈八か』『何か火急に』『いや後で話す』せわしげな眼で、往来を見廻しながら、孫八郎は隣家の本多家の長い塀の端れまで駈けて行った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...やっと、それを聞き止めた宅助と門番は、さしかけていた賭将棋(かけしょうぎ)の駒をつかんだまま、びっくりしてお長屋の端から飛びだしてきたが、「あっ」と、出会いがしらに、たたずんでいた侍にぶつかッて、握りこぶしの持駒、金、銀、桂馬、バラリとそこへ撒(ま)いてしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「あら」出会いがしらに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...台所の露地から、走って出た清麿は、うぬと喚(わめ)いて、出会いがしらに、刃を抜き浴びせた...
吉川英治 「山浦清麿」
...出会いがしらにぐいと抱きしめようと隙をうかがったりする...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...崩れた倉庫を飛び出した出会いがしらに...
和辻哲郎 「地異印象記」
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