...義男はその爲に毎日出て行くある群れの塲所にゐても絶へず苦笑を浮べてゐなければならない樣な...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...代り代り人生の舞台に出て行く形が面白いではないか...
田山録弥 「墓の上に墓」
...近所の女房連の集まっている井戸端へ出て行くのが...
徳田秋声 「足迹」
...点呼にも彼は居所を晦(くら)ましていて出て行く機会を失った...
徳田秋声 「あらくれ」
...ネロとパトラッシュに翌日小屋を出て行くように言いました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...今すぐ出て行つてくれと言はれても出て行く処がない...
永井壮吉 「人妻」
...扉をガタビシさせて出て行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前の出て行くのを留めはしませんから...
中里介山 「大菩薩峠」
...いけないと言えば彼等も素直に出て行くようになっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...浪江の在処(ありか)さえ判れば、俺は倅を伴(つ)れて、ここを出て行く、嘘も偽りもない」「本当か、野郎」「浪江に悪い噂(うわさ)が立って、俺はどんなに心配した事だろう、小永井の家を潰(つぶ)しちゃ、先祖様に対して済まないから、無理な献立も、拵(こしら)えたが、お前と浪江が出て来さえすれば、俺と倅は、この家に用事はない、半蔵、間違ったことをしてくれるな――」滝三郎は真(まこと)に畢生(ひっせい)の弁舌を揮(ふる)いました、正直者の半蔵は、いつの間にやらそれを信用する気になって、匕首を腹巻に納めると、ドッカと座敷の真ん中に、坐り込んでしまったものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...出て行くお勢の後姿を目送(みおく)って...
二葉亭四迷 「浮雲」
...僕はレックミア侍従の手口を訊(き)いてくる」ホープ大尉が急いで出て行くと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...必要とあればヘアデールパークを出て行くだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...太郎が友達の手を離して出て行くと...
牧野信一 「サクラの花びら」
...なぜぼくがうちで晩飯(ばんめし)をもらわずに平気で出て行くか...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...ほととぎす語らふ声はそれながらあなおぼつかな五月雨(さみだれ)の空こんな返歌をするのは、わからないふうをわざと作っているらしいので、「では門違いなのでしょうよ」と惟光が言って、出て行くのを、主人(あるじ)の女だけは心の中でくやしく思い、寂しくも思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...与兵衛もつい誘い込まれて茶の間を出て行くと...
吉川英治 「剣難女難」
...昨日の裏門を出て行く兄の姿と千浪の影を再び見た...
吉川英治 「剣難女難」
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