...――すると壓力と濕氣の爲めに紙は石面の文字のあらゆる凸凹にまんべんなく喰ひ込む...
會津八一 「拓本の話」
...襖画を描くというはヘマムシ入道(にゅうどう)や「へへののもへじ」の凸坊(でこぼう)の自由画でなかった事は想像される...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...坦々(たんたん)砥(と)の如き何間(げん)幅(はば)の大通路を行く時も二葉亭は木の根岩角(いわかど)の凸凹(でこぼこ)した羊腸折(つづらおり)や...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...小徑をへだてて大小凸凹の岩がならび...
太宰治 「逆行」
...だらだら凸凹(でこぼこ)の激しい一寸(ちょっと)拡い野っ原であって...
徳永直 「戦争雑記」
...「フアラデーの法則」が實際的に電氣凸版として應用されはじめたのを一八四〇年以後だとすれば...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...およそ「凸凹でない景気」(?)を産むような「事業」は未だかつて資本主義社会にはなかったはずではないか...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...この方は凸凹(とつおう)が多くて...
夏目漱石 「門」
...茶わんのはらの凹凸(おうとつ)をならしていった...
新美南吉 「屁」
...「凸凹」は、渡辺にハメて書いたものだけにてんで山野じゃ調子が出ない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...台本メモ「凸凹世界漫遊」三十枚程度のレヴィウ台本...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」などと云ふことを吹聴する気風が嘗て一部に流行したが、忽ち自分もそれに感染して、臆面もなく己れの痴愚を吹聴するのであつた、ほんとうの自分の胸には、常に消えかゝつた一抹の白い煙が、どんよりと漂ふてゐるばかりである、人は夫々生れながらに一個の鏡を持つて来てゐる筈だ、自分の持つて来た鏡は、正当な使用に堪へぬ剥げた鏡であつた、僻地の理髪店にあるやうな凸凹な鏡であつた、自分では、写したつもりでゐても、写つた物象は悉く歪んでゐるのだ、自分の姿さへ満足には写らない、更に云ふ、凸凹な鏡である、泣いた顔が笑つたやうに写る、頭の形が、尖つたり、潰れたりする、眼がびつこになつて動く毎に、釣りあがつたり、丸くなつたりする、鷲のやうな鼻になつたかと思ふと、忽ちピエロのそれのやうになる、狼の口のやうに耳まで裂けたかと見ると、オカメの口のやうに小さくなる……実際そんな鏡に、暫くの間姿を写してゐると、何方(どつち)がほんとの自分であるか解らなくなつてしまふ時がある……...
牧野信一 「鏡地獄」
...その一部(第三図)また自ら或る凸起に托(の)り掛かると同時に...
南方熊楠 「十二支考」
...」先生は中にたくさん光る砂のつぶの入った大きな両面の凸(とつ)レンズを指しました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...初めてその河床の凹凸について語れる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...クロステル街のあたりは凸凹坎(かんか)の處は見ゆめれど...
森鴎外 「舞姫」
...凸凹の・ざらざらした・場所にとまって休む蠅みたいだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...凸型に湾曲した頂面の上に凹型の底面がぴったり嵌る形で上に延びていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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