...あたかも凧(たこ)の糸を繰出す如く...
泉鏡花 「凱旋祭」
...あの紙凧(かみだこ)のあがっている空地だ...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...何時(いつ)でも引張凧(ひつぱりだこ)だからね...
徳田秋聲 「絶望」
...凧はぐらりとかたむきました...
豊島与志雄 「椎の木」
...枝にかかってる凧糸が...
豊島与志雄 「椎の木」
...凧を椎の木に引っかけて引きちぎったので糸だけ残ったのであろう」「梅雨過ぎの凧は変じゃございませんか」「左様」大橋要人は唸ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...其處に三十二枚張りの武者繪を描いた大凧(おほだこ)があります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……それというのは、たぶん、その凧にくわしい手はずを書いた結び文でもしてあったのだろう……」「それが、どうした」「つかぬことを伺うようですが、では、その凧は、たしかに石船の一味の手へ入ったというお見こみなんでしょうな」「なにをくだらん、……手に入ったればこそ、ああいうことが出来たのだ」顎十郎はうなずいて、「なるほど、理詰ですな」と言うと、キョロリと藤波の顔を眺め、「ときに、藤波さん、もう十一月だというのに、この二三日、どうしてこうポカつくか、ご存じですか?……まるで、春の気候ですな」藤波は、いよいよ癇を立て、「手前は、あなたと時候の挨拶をするために、こんなところまで出かけて来たのじゃねえ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その凧に結び文をつける約束ができていて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……あの凧に結び文があったかないか調べるまでもない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...凧は、ほんとうのボーフラのやうに小さくなつて静かに浮いてゐた...
牧野信一 「鱗雲」
...泥酔してゐるものゝそれだけ一途に凧を追つてまつしぐらに夜の街に飛び出すのが常だつた...
牧野信一 「鱗雲」
...もう少しで凧のやうに吹き飛んでしまひさうだつたわ...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...凧をあげて見せたりするうちに...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...ぶらぶらと歩いて行く二人の直ぐ爪先きから鴉や鴎がさもさも退儀さうにバサバサと鳴る羽ばたきを立てゝ凧のやうに飛び立つた...
牧野信一 「籔のほとり」
...凧屋(たこや)では五月ののぼりの鯉(こい)やなにかをつくりはじめました...
宮島資夫 「清造と沼」
...ピューッと凧(たこ)のうなるがごとき音をさせつつ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...糸目(いとめ)のからんだ凧(たこ)のように...
吉川英治 「神州天馬侠」
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