...凡そ恩をきるものと恩をきするものとの間には...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...凡そこれ等の問題にそれ/″\正確な答へを与へるには簡単な記述では出来ない...
石川三四郎 「社会的分業論」
...有島武郎氏は仙子さんの藝術的生活には「凡そ三つの内容があつたやうに思はれる」と言ひ...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...凡そ三里四方、我國の『山湖』にては最も大なる者也...
大町桂月 「十和田湖」
...家を擧つて寓居すること凡そ一箇月...
大町桂月 「北條より一ノ宮へ」
...凡そどの位の年数を要するものであるか...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...凡そ斯る顯象を以て滿たされたる議會が...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...凡そ事斯くの如きは恐らくは閣下の本意に非る可し閣下は常に官紀振肅行政統一を以て自ら標榜するの人たればなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...フェノロサは浮世絵板物(はんもの)中最も上乗(じょうじょう)なるもの凡(およ)そ四百種を採れるの傍(かたわら)板物の研究に必要なる板画家の肉筆制作凡そ五十種を合せてその制作の年代に基(もとづ)き順次にこれを配列し個々につきて精細なる説明を施すと共に浮世絵一般の歴史についてもまた合せ論ずる処ありき...
永井荷風 「江戸芸術論」
...平野の打續く衞の風景とは凡そ事變(ことかは)つた・山勝ちの絳(かう)の都に...
中島敦 「盈虚」
...夕刊の朝日に番匠谷英一が、凡そ好意のない、松竹の廻しものみたいな悪評を書いてるので腹が立った...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私は、自分の行動に自信を失ひ、白日の陽を浴びることに涯しもない不安を覚えて今にも迷妄の吹雪に昏倒しさうな、そして見る/\うちに蝋燭のやうな我身が煙りと化して行く想ひに引きずられて行つたが、救ひを求める凄惨な声が益々高く低く縷々として私の耳朶に絡まりついて来る空怖ろしさに堪へられなくなつて、凡そ、もう、さつきの、勇敢な騎士とは裏はらの臆病な幽霊のやうな脚どりで、扉をおし、そして、「喧嘩でも起つたのかな?」と、わざと眠さうに眼をこすりながら、雨戸をあけた...
牧野信一 「鬼の門」
...凡そ以前のゼーロンには見出すことの出来なかった驚くべき臆病さである...
牧野信一 「ゼーロン」
...凡そローラの心持とはうらはらだつたせゐか...
牧野信一 「南風譜」
...凡そ多くの作家にとつて...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...凡そ器用と無器用はあつても無技巧と呼ぶ可き作家の存在を知らない自分には想像がつかなかつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...凡そ見当もつかない手紙でした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...凡そ此等の事は、極めて知り易かるべきものでありながら、わたくしはこれを検することを得ない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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