...几帳面に長く坐っていると立てなくなりますよ」といって思いきり彼らしい調子を上げて笑い崩した...
有島武郎 「星座」
...几帳面に整理されてありました...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...ところで、几帳面に、雪空にも拘らず出張して来た弁護士が、二人の事務員を使って、せっせと書きものをしている一室へ通された...
犬田卯 「荒蕪地」
...几帳面に考える様なたちですの...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...島崎氏は几帳面に膝の上に手を置いて...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...」畑氏も几帳面に頭を下げた...
薄田泣菫 「茶話」
...女は普通の日本建ての借家でいい、家具さえ洋風にしてくれたらと云うのだけれども、建てつけのガタピシする狭くるしい部屋に這入って、歩くたびごとにもくもくふくれ上る畳を蹈みながら、散切(ざんぎ)り頭に浴衣(ゆかた)がけでいられたりしたら、―――そしてうわべだけにもせよ、今までの贅沢が打って変って、急に几帳面に、妙なところで所帯持ちをよくされたりしたら、―――と、そう思うと何だかお座がさめるのであった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...果たして役人たちが几帳面に丁寧になったかね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...半片(きれ)の菓子パンとコーヒーを貰いたいと彼は几帳面に言った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...彼はすこぶるきちんとして几帳面に見え...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...机の前に正しくすわって几帳面にやる時もないではないが...
寺田寅彦 「わが中学時代の勉強法」
...あんまり大人(おとな)びて几帳面に詫びられたためにこちらはかへつてどぎまぎしながらもこんなにひとに苦労させたかと思へば面憎くもなつて あんなにあやまるのぢやなかつた と思つた...
中勘助 「銀の匙」
...几帳面に引かないと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...などと几帳面に云って来るので...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...うちとすればこのKが几帳面によくやっているからというところがあって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...出費は几帳面にしようとすると窮屈になる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「十四番の黒さんは毎晩几帳面に帰って来るから可笑(おか)しいじゃねえか」と云い出した事がある...
夢野久作 「暗黒公使」
...古い帯、古い持物、すべてが、几帳面に...
吉川英治 「べんがら炬燵」
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