...少し慣れて来ると人を見徹(みとお)そうとするように凝視するその目は...
有島武郎 「或る女」
...見えないものを凝視する...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...春三郎は我に歸つて體温表を凝視すると...
高濱虚子 「續俳諧師」
...しかも自分自身でさえ御像を凝視するのが恐ろしかったような不思議な状態を想見することが出来る...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...息を呑(の)んでそれを凝視するばかりだ...
太宰治 「女の決闘」
...いくら斜めに――正面から凝視することはこの怪人を激怒させるかも知れない...
谷譲次 「踊る地平線」
...あらためて仔細(しさい)に凝視すると...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...とても其顏を凝視する事が出來ず...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...どこかを凝視するのでもなく...
豊島与志雄 「山上湖」
...耳を傾けながら空間を凝視する...
豊島与志雄 「慾」
...凝視することを求めている...
中井正一 「色彩映画のシナリオ」
...かれにとつて或る一点を凝視するやうな祈祷の心持! どうにかして自分の力を...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...茫然(ぼうぜん)としていよいよ妾を凝視するのみ...
福田英子 「妾の半生涯」
...又われわれの内心を凝視する術を教えてくれた...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...スミ不思議に思ひ、それを凝視する...
三好十郎 「おスミの持参金」
...榛軒は弟の面を凝視すること良(やゝ)久しく...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その徳望と、学識と、手腕と、共に一世に冠絶せる人物なりしが、この事を伝え聞くや態々(わざわざ)王の御前(ごぜん)に出頭し、姙娠中の婦女子が或る人の姿を思い込み、又、或る一定の形状色彩のものを気長く思念し、又、凝視する時は、その人の姿、又は、その物品の形状色彩に似たる児の生まるべき事、必ずしも不合理に非(あら)ざるべきを、例を挙げ証を引いて説明せしかば、王の疑(うたがい)ようやくにして解け、王妃と黒奴との冤罪(えんざい)も残りなく晴れて、唯、彼(か)の黒奴の肖像画のみが廃棄焼却の刑に処せられきとなん...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...その姿を凝視するなり...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??