...凝然として行く手を見守っている...
有島武郎 「二つの道」
...何の力が自分にかういふ強い印象を止めたのであらうか凝然と考へてゞも見ようと思ふと却て解らなく成る...
長塚節 「教師」
...泥(どろ)を拗切(ちぎ)つて投(な)げたやうな雲(くも)が不規則(ふきそく)に林(はやし)の上(うへ)に凝然(ぢつ)とひつゝいて居(ゐ)て空(そら)はまだ騷(さわ)がしいことを示(しめ)して居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...今(いま)直(すぐ)に明(あ)くから」と傭人(やとひにん)がいつてくれてもお品(しな)は臀(しり)から冷(ひ)えるのを我慢(がまん)して凝然(ぢつ)と辛棒(しんぼう)して居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)はひよつこり起(お)きて何(なに)もいはずにおつぎの顏(かほ)を凝然(ぢつ)と見(み)つめた...
長塚節 「土」
...地味(ぢみ)な常磐木(ときはぎ)を除(のぞ)いた外(ほか)に皆(みな)次(つぎ)の春(はる)の用意(ようい)の出來(でき)るまでは凄(すご)い姿(すがた)に成(な)つてまでも凝然(ぢつ)としがみついて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...餘計(よけい)にかさ/\と乾(から)びて硬(こは)ばつて居(ゐ)る手(て)を動(うご)かし難(がた)くなると彼(かれ)は一塊(くわい)の(おき)もない火鉢(ひばち)を枕元(まくらもと)に置(お)いて凝然(ぢつ)と蒲團(ふとん)を被(かぶ)つた儘(まゝ)である...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は凝然(ぢつ)と遠(とほ)くへ自分(じぶん)の心(こゝろ)を放(はな)つたやうにぽうつとして居(ゐ)ては復(また)思(おも)ひ出(だ)したやうに麁朶(そだ)をぽち/\と折(を)つて燻(く)べた...
長塚節 「土」
...私は凝然として見て居た...
長塚節 「隣室の客」
...瞳は凝然として微動もしません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼の視線は何時も凝然と私の上に注がれてゐた...
牧野信一 「心象風景」
...行燈のかげに凝然(じっ)と坐ったきり動かなかった...
室生犀星 「ゆめの話」
...凝然たる姿勢のままで...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...悲痛な気魄が姜維を凝然(ぎょうぜん)と佇立(ちょりつ)させた...
吉川英治 「三国志」
...凝然(ぎょうぜん)と...
吉川英治 「私本太平記」
...凝然(ぎょうぜん)と高燈台(たかとうだい)の火色を見つめたまま...
吉川英治 「新書太閤記」
...官兵衛も秀吉もただ凝然(ぎょうぜん)と一つものに眼を向け合ったまま...
吉川英治 「新書太閤記」
...凝然(ぎょうぜん)...
吉川英治 「源頼朝」
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