...枕元(まくらもと)に居(ゐ)た近所(きんじよ)の人々(ひと/″\)は勘次(かんじ)とおつぎの泣(な)き止(や)むまでは身體(からだ)を動(うご)かすことも出來(でき)ないで凝然(ぢつ)と冷(つめ)たい手(て)を懷(ふところ)に暖(あたゝ)めて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...頭(あたま)を後(うしろ)へひつゝける程(ほど)身(み)を反(そ)らしておつぎの顏(かほ)を凝然(ぢつ)と見(み)ては甘(あま)えた聲(こゑ)を立(たて)て笑(わら)ふのである...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は其(そ)の時(とき)蒲團(ふとん)の中(なか)に凝然(ぢつ)と目(め)を開(あ)いておつぎの働(はたら)いて居(ゐ)るのを見(み)て居(ゐ)たが「欲(ほ)しいつちんだら出(だ)して遣(や)れえ」彼(かれ)はいつた...
長塚節 「土」
...「云(ゆ)はざらに」と卯平(うへい)は凝然(ぢつ)と目(め)を蹙(しか)めつゝ少(すこ)し壤(こは)れた壁(かべ)の一方(ぱう)を睨(ね)めつゝいつた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は凝然(ぢつ)と遠(とほ)くへ自分(じぶん)の心(こゝろ)を放(はな)つたやうにぽうつとして居(ゐ)ては復(また)思(おも)ひ出(だ)したやうに麁朶(そだ)をぽち/\と折(を)つて燻(く)べた...
長塚節 「土」
...蛇(へび)は暫(しばら)く凝然(ぢつ)として居(ゐ)て極(きは)めて徐(おもむ)ろに棺臺(くわんだい)の下(した)に隱(かく)れた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は蒼(あを)い顏(かほ)をして凝然(ぢつ)と瞑(つぶ)つた目(め)を蹙(しが)めて聞(き)いて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...例によって真名古が孤影凝然と坐っている...
久生十蘭 「魔都」
...凝然と露台の外を見守る...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...あの位ひ凝然と見透せさせたといふことは...
牧野信一 「淪落の女の日記」
...彼は口の両端を下げたなり、いやそうに息をついていて、はれぼったい濁り水のような眼は、凝然と、しかも一種の憂鬱ないぶかりを示しながら、陽気ないとなみに見入っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...その縫ひ方のつつましさなどを凝然と見つめた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...声も出ないで凝然と見戍(みまも)っていた...
室生犀星 「蛾」
...前後左右の暗黒の中に凝然(じっ)としている者の一切合財が...
夢野久作 「斜坑」
...「お前はソンナに凝然(じっ)と突立っていてはいけないのだぞ...
夢野久作 「冗談に殺す」
...凝然(ぎょうぜん)と長い睨(ね)め合(あ)いがつづくうちに...
吉川英治 「新書太閤記」
...凝然(ぎょうぜん)と...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...凝然(ぎょうぜん)と...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??