...時に覚海検校深重の悲誓を発て修羅即遮那の観門を凝し魔即法海の行解を務め其の類に同じて山家を鎮護し...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...息を凝したような沈黙が落ちた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...と突然、彼は息を凝した...
豊島与志雄 「反抗」
...大少参事その他属官等も藩庁に詰め切って頻りに鎮圧の評議を凝した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...数寄を凝した六畳ほどの離室(はなれ)があります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...」隣りの声など耳には入らず純吉は、眼を凝してゐた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...果して何処の酒屋がこゝろよく私達に一荷の酒樽を渡すであらうか? といふことに就いて寄々(よりより)会議を凝した挙句...
牧野信一 「心象風景」
...いつにもそんな晴れやかな装ひを凝した妻君の姿を眺めた験しもなかつたせゐか...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...新装を凝して一巻と成る今日に出遇ふた私の感慨に就いては多くを述べる要もなからうと思はれます...
牧野信一 「西部劇通信」
...表へ出る時が如何にもケバ/\しくなるからなどと工夫を凝して...
牧野信一 「痴日」
...それにしても何んな変装を凝して百合子が現れるだらう? と思ひながら一心に彼が行列を見守つてゐた時...
牧野信一 「南風譜」
...凝つと浴室のあたりへ眼を凝した...
牧野信一 「まぼろし」
...主の貴様からしてこれぢや親父の後が継げないのも道理こそ! はつこくりつけるぞや!」と云ひながら舅は装ひを凝した部屋を見廻した...
牧野信一 「円卓子での話」
...眼を凝して見ると辛うじて窺はれた...
牧野信一 「山を越えて」
...花見の客が想ひ/\の扮装を凝して一夜の宴を縦(ほしいま)ゝにするといふ行事が...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...でもおりおり辰男に対しては神経を凝していた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...今は回教僧だが昔取つた杵柄と丹誠を凝し...
南方熊楠 「詛言に就て」
...又は数奇(すき)を凝した休憩所で辨当を食べて帰る...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
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