...その暗黒を凝視してその醜さを嘆くの誠を外にして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...」「それでもいいぢやないか?」「お前で凝(こ)りたから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...倒逆し凝集(ぎょうしゅう)した彼の顔の背後にも...
梅崎春生 「黄色い日日」
...凝心ばかりではいけない...
種田山頭火 「其中日記」
...混凝土状もまた一種ではない...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...これというほど判然(はっきり)した凝(こ)り整った何物も有(も)っていなかったからである...
夏目漱石 「門」
...直吉はその男の遠ざかる後姿を凝視めたままで動かなかつた...
林芙美子 「瀑布」
...十銭か二十銭……オヤそれじゃ三十銭足駄を履かれたんだよ……」ト云ッて昇の顔を凝視(みつ)めた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...碁客が碁に対する凝り方...
二葉亭四迷 「私は懐疑派だ」
...彼に氣付かれないで凝視(みつめ)ることが出來ると分ると...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...叔父のジャスパーペインも凝り性だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...輝子は笑ひもせず稍蒼ざめた面持で凝つと虚空に瞳を凝してゐた...
牧野信一 「奇友往来」
...近所の人達の白い顔が薄暗がりの中で大勢凝ツと此方を睨めてゐた...
牧野信一 「毒気」
...凝っと自分の仕事を見詰めると...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...聖ピウスの祭の日にピウスの肖像を長き間凝視し居りしに...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...一時は茶道にも凝って...
山本笑月 「明治世相百話」
...どのような意味の闇黒がフィルムの前途に待ち構えているで御座いましょうか……【暗転】……闇黒のフィルムが依然として諸君の眼の前に連続して行きます……十尺……十五尺……三十尺……五十尺……諸君の眼の前に凝(こ)り固まって行く闇黒の核心に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...沸(たぎ)るような眼で彼女の凝視に凝視を返していらっしゃる...
吉川英治 「私本太平記」
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