...月光が凍つた結晶體に反射してゐたのである...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...ペンに含んだインキが半分もなくならぬうちに凍つて了ふ...
石川啄木 「菊池君」
...呼氣(いき)の濕氣(しめりけ)で眞白に凍つた...
石川啄木 「菊池君」
...海は深く凍つて、雪や氷の山のやうになつて、陸との見境がつかなくなる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...雪で凍つたうへを運搬するのぢやから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...凍つた空氣へたのしげに口笛を吹きこんだ...
太宰治 「道化の華」
...霜がふる白い道・ふけて炊かねばならない煙がさむい・枯野まつすぐにくる犬の尾をふつて・そこらに大根ぶらさげることも我が家らしく・遠い道の轍のあとの凍つてゐる・たま/\来てくれて夕月のある空も(再録)二月四日立春...
種田山頭火 「其中日記」
...半凍つた湖水には二三日前まで通つて居たといふ小蒸汽船が氷に閉ぢられて居た...
田山花袋 「子供と旅」
...曉(あかつき)近い寒さに凍つてしまつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火花の鎖大根畑が白く凍つてゐる朝米をといでゐる私は赤い肩掛けがほしくなりました仄かに音もなく降る雪の中に赤い肩掛けをして恋人と旅に出たならば……...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...凍つたやうに肌を刺す...
林芙美子 「浮雲」
...私たちは顏を洗ふ儀式なしで濟まさなければならなかつた――水差(みづさし)の水が凍つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...勢ひよく一散に凍つた街を駆けてゐた...
牧野信一 「やぶ入の前夜」
...神の鉢の飯が凍つた...
水野仙子 「四十餘日」
...井戸にかゝつた水がそのまゝに凍つてゐて...
水野仙子 「四十餘日」
...凍つた北極の雲で鑄たといつたらいいか...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...今朝(けさ)水道が凍つて水が出ない」と云つて水瓶(みづがめ)を手にした儘(まゝ)煖炉(ストオブ)の前に立つて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...下は一枚板のやうにこつ/\凍つてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
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