...益々何かあの女に凌辱(りょうじょく)を加えたくてたまらなくなった...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...紀文を凌駕(りょうが)するものである...
泉鏡花 「薄紅梅」
...海に寄ったのは亭々(ていてい)として雲を凌(しの)ぎ...
泉鏡花 「瓜の涙」
...西に赤倉(あかくら)の高嶺(かうれい)雲を凌(しのぎ)て衆山(しゆうざん)これに双(なら)ぶ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...「こゝは木なぞが多い割合に蚊が少いので余つ程凌(しの)ぎいゝんだけど...
鈴木三重吉 「桑の実」
...見事それで凌いで行けたし...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...食物をくれる同情者のない時には水を飲んで餓えを凌ぎ...
田中貢太郎 「黄金の枕」
...凌霄(にんどう)の花のような金茶色の花が一めんに垂れさがった木が一本立っていた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...凌辱されたりすることを本望としているかの如く...
中里介山 「大菩薩峠」
...一挙に千里の雲を凌(しの)いで日の下に鳴き...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...兎も角も雨露(うろ)を凌(しの)ぐに足る椽の下の菰(こも)の上で...
二葉亭四迷 「平凡」
...あの人たちをお凌(しの)ぎになるだらうつてね...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...白雲や青葉若葉の三十里山を下れば驟雨颯然とふりしきりて一重の菅笠に凌ぎかね終に馬籠駅の一旅亭にかけこむ...
正岡子規 「かけはしの記」
...私たちの生活の波瀾を凌がせ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我々のそれらを凌駕していれば我々は容易にそれを認める...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――雪が来てしまえばまあ少しは凌(しの)ぎいいのですが...
山本周五郎 「いさましい話」
...なるほど、ここは郷里も知らずに帰って来た自分に、今もこのように、手厚い呼吸を吹きかけて来てやまぬもののあるのを見ても、宗麟のむかしも同様ヨーロッパから「雲の波、煙の浪を凌ぎ、今この日域に来って貴き御法を弘む...
横光利一 「旅愁」
...毎日三合宛(づつ)之を湯(ゆ)に入れて呑(の)み以て飢(うへ)を凌(しの)ぐを得...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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