...夏は幽靜清凉の地也...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...紅葉の散るは、悲凉也...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...こゝは漫々たる蒼波、見るからに心地よく、清風陣々として、凉氣船に溢る...
大町桂月 「月の東京灣」
...われはたゞ一種異樣の感にうたれ、われ我を忘れて枯坐しけるに、雨脚はやう/\我に遠ざかりて、軒より直下する點滴、水晶簾を下して、雨の名殘をとゞめ、空は早くも瑠璃をみがきて、一痕の凉月、御嶽の上にさやかなり...
大町桂月 「八鹽のいでゆ」
...清凉山は近頃まで仏教の中心とせられておったので...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...二筋川の方へ納凉に往っていた...
田中貢太郎 「魔王物語」
...夕日がいくらか凉しくなつた頃から...
田山花袋 「道綱の母」
...少しの風さえも肌に凉しく...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...放水路の風景の中その最(もっとも)荒凉たるものであろう...
永井荷風 「放水路」
...八月の炎天を歩み汗を拭はんとて物かげに憩(いこ)ひ風を迎ふれば凉しと思ふ間もなく...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...夜が深けるに隨つて空氣の凉しさが一しほ沈んで身にせまつて來るかと思ふと...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...其(そ)れが凉(すゞ)しい夏(なつ)の夜(よ)で女(をんな)が男(をとこ)を待(ま)つ時(とき)には毎日(まいにち)汗(あせ)に汚(よご)れ易(やす)いさうして其(そ)の飾(かざ)りでなければ成(な)らぬ手拭(てぬぐひ)の洗濯(せんたく)に暇(ひま)どるのである...
長塚節 「土」
...凉庵の忘れ形見でたつた一人殘された娘...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...凉庵先生も言はれたことを貴公も知つて居るであらう」「――」横井源太郎は物々しくうなづきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...橋の上で凉んでゐて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本で最もよく知られている清凉劑の名におき變えたら...
秘田余四郎 「字幕閑話」
...九の一凉しいと思つた風もいつしか寒くなつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...如何にも荒凉たる驛である...
吉江喬松 「山岳美觀」
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