...黄昏の凉しい風に吹かれながらぶらぶらと歩いて行く...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...それは或はその荒凉という二字は...
田山花袋 「日本橋附近」
...もうこれからは山で凉しいから』『さうしませう』かをると呉葉とはそこらにあるものを片附けにかゝつた...
田山花袋 「道綱の母」
...廣瀬川都の塵を逃れ來て今わが歸る故郷の夕凉しき廣瀬川野薔薇の薫り消え失せて昨日の春は跡も無き岸に無言の身はひとり...
土井晩翠 「天地有情」
...當時の模樣を日高凉臺が手紙で傳へた文に「此節は西醫も珍敷者到來にて...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...襟元凉しく髪を取り上げ...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...昨來風俄に凉し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...凉風秋を報ず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...風も凉しく吹き通っていたのを幸(さいわい)...
永井荷風 「梅雨晴」
...上野の鐘声(しょうせい)は残暑を払う凉しい夕風に吹き送られ...
永井荷風 「日和下駄」
...初めて放水路をわたった時の荒凉たる風景を憶い浮べ...
永井荷風 「放水路」
......
野口雨情 「朝おき雀」
...あの凉み船の中で起つたこと――お孃さんは何にか知つて居るに違ひないと思ふんだが」小部屋にお清を誘(さそ)ひ込んだ平次は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...凉やかな眼もとであつた...
林芙美子 「浮雲」
...蚊帳の裾をはらふやうな凉しい風が吹いてゐた...
林芙美子 「多摩川」
...荒凉たる岩山の孤島に真紅の薔薇の花簪とは...
久生十蘭 「海豹島」
...夏は納凉場(すずみば)になる葦簀張(よしずば)りの広い縁台があり...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...向島の水神(すいじん)に出かけて凉(りょう)を納(い)れていると...
武者金吉 「地震なまず」
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