...乞食の子に石を投げるは冷酷なる惡戲小僧の強がりである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...○運命が冷酷なものなら...
有島武郎 「運命と人」
...それが世の中だ彼等の欲する真面目とは礼服の事だ人工を天然に加へる事だ直立不動の姿勢の事だ彼等は自分等のこころを世の中のどさくさまぎれになくしてしまつた曾(かつ)て裸体のままでゐた冷暖自知の心を――あなたは此(これ)を見て何も不思議がる事はないそれが世の中といふものだ心に多くの俗念を抱いて眼前咫尺(しせき)の間を見つめてゐる厭な冷酷な人間の集りだそれ故...
高村光太郎 「智恵子抄」
...冷酷なる論理のみならば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...望むらくは冷酷な同情を一切の批評家の胸に!である...
戸坂潤 「思想としての文学」
...冷酷な顔つきをして横を向いた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こういう冷酷なことを俺に言わせるのは...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...文太郎 (冷酷な薄笑いを浮べ)お前だな...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...氷のように冷酷な船長の下(もと)で...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...福田実家の冷酷なる...
福田英子 「妾の半生涯」
...キリスト教の血に染んだ上衣(うはぎ)を剥(は)いで了へば――冷酷な野心(やしん)に富んだ男に過ぎないのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...恰も冷酷な情夫を罵しるかのやうに激しく...
牧野信一 「小川の流れ」
...それ以上冷酷な道子の態度に接すると...
牧野信一 「爪」
...馬とも鬼とも牛ともつかぬ冷酷な太十をはじめ五郎...
牧野信一 「武者窓日記」
...これまではだれのためにも慈父のような広い心を持つ源氏であるが御自身と御自身の周囲の者にだけは冷酷な態度を取り続けられておいでになるのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一面にはひどく冷酷な感じでもあった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...冷酷な調子で云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...粗暴で冷酷な官吏だということは将門もかねてうすうす耳にしていたので...
吉川英治 「平の将門」
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