...冷然とした表情の後に隠して...
芥川龍之介 「芋粥」
...同じ道に志した旅人さへ冷然とその苦痛を看過してゐる...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...冷然とかう申しました...
芥川龍之介 「地獄變」
...下人は、太刀を鞘(さや)におさめて、その太刀の柄(つか)を左の手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた...
芥川龍之介 「羅生門」
...冷然とその前を通り過ぎた...
芥川龍之介 「路上」
...清逸は冷然として弟の顔から眼を原稿紙の方に振り向けた...
有島武郎 「星座」
...帆村は冷然として芝山に訊問を続ける...
海野十三 「地獄の使者」
...其一躍して内閣に入るや復た冷然として一顧を協会に与へざるの奇観あり後藤伯の如きは特に甚しといふ可し其の大言壮語到る処亡国論を唱へ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...ほとんど冷然と推理し得る不思議な能力を有するものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その方が結構だわね」お秀は冷然として話を切り上げた...
夏目漱石 「明暗」
...暫く順一はそれを冷然と見詰めてゐたが...
原民喜 「壊滅の序曲」
...マリイは冷然とかまえて一言も抗議しなかった」九日...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...冷然と笑いながら...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...「赤としたらどうしたらいいでしょうか」田宮氏は冷然と眼を光らせた...
夢野久作 「少女地獄」
...ただその真下で冷然としている街区にすぎなかったことに気がついた...
横光利一 「上海」
...「どうした! 蔭間侍」冷然と...
吉川英治 「江戸三国志」
...我に死ねとか」「いずれでも好きなほうを選ぶがよい」李儒は冷然と毒づいた...
吉川英治 「三国志」
...思うさま冷然と揶揄(やゆ)してやりたいような度胸まですわってくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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