...自然は唯(ただ)冷然と我我の苦痛を眺めている...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...」それでもトルストイは冷然と...
芥川龍之介 「山鴫」
...事務長は冷然として見向こうともしなかった事だ...
有島武郎 「或る女」
...どこかで大きな手が情けもなく容赦もなく冷然と自分の運命をあやつっている...
有島武郎 「或る女」
...木部は冷然として竿を取った...
有島武郎 「或る女」
...西は頗(すこぶ)る冷然として二葉亭とはホンの同窓というだけの通り一遍の浅い関係だからその頃の事は大抵忘れてしまったといういたって率気(そっけ)ない挨拶(あいさつ)だったそうだ...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...周囲の人々の心づかいに対しても冷然としている...
梅崎春生 「黄色い日日」
...イレネは冷然と僕の方にふりかえり...
海野十三 「宇宙尖兵」
...まっすぐで、規則正しく、冷然として、垂直になっており、定規をあて墨繩(すみなわ)を引き錘鉛(すいえん)をたれて作られたもののようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...支店長は冷然として...
夏目漱石 「それから」
...いやだから返すんだ」山嵐は冷然とおれの顔を見てふんと云った...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...その方が結構だわね」お秀は冷然として話を切り上げた...
夏目漱石 「明暗」
...鉄砲御用衆の面々が砲撃の効果を冷然と観察している...
久生十蘭 「ひどい煙」
...ある朝、冷然と、私は猫の首に輪索(わなわ)をはめて、一本の木の枝につるした...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...やはり冷然として這入(はい)って来る袴野を見返った...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...冷然と一睨(いちげい)して...
吉川英治 「剣難女難」
...冷然と――「そんなものか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...帝国主義は冷然として進水式をやっている...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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