...ピロン冷然として答ふらく...
芥川龍之介 「骨董羹」
...自然は唯冷然と我我の苦痛を眺めてゐる...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...どこかで大きな手が情けもなく容赦もなく冷然と自分の運命をあやつっている...
有島武郎 「或る女」
...それと一齊射撃にて、やがては掃蕩したりしが、冷然として、殘忍に、軍は倦みたり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...机の前に冷然としている...
太宰治 「虚構の春」
...女は冷然とした顔をしていた...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...「自由というのは自分の感情と思想とを独立させて冷然と眺めることの出来る濶達自在な精神なんだ...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...人民の方でも冷然と彼を見上げた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その方が結構だわね」お秀は冷然として話を切り上げた...
夏目漱石 「明暗」
...マリイは冷然とかまえて一言も抗議しなかった」九日...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...冷然としていらっしゃるのよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...斎藤博士の写真を見比べながら冷然とした口調で私に云い聞かせた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...石のように頬を固(こわ)ばらせたまま冷然と眼を閉じている………………………………………………………...
夢野久作 「笑う唖女」
...ただその真下で冷然としている街区にすぎなかったことに気がついた...
横光利一 「上海」
...梶は冷然としていく自分に妙に不安な戦慄(せんりつ)を覚え...
横光利一 「微笑」
...冷然と蹲居してゐるのに驚かれた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...冷然としていたこの間の顔つきなども...
吉川英治 「松のや露八」
...帝国主義は冷然として進水式をやっている...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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