...冷然とした表情の後に隠して...
芥川龍之介 「芋粥」
...冷然として言へらく...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...始からその冷然とした態度に中(あ)てられて...
芥川龍之介 「枯野抄」
...然れども山門は冷然として之に答へざりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...同じ道に志した旅人さへ冷然とその苦痛を看過してゐる...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...その時も始は冷然として取り合ふ気色を見せずにゐました...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...事務長は冷然として見向こうともしなかった事だ...
有島武郎 「或る女」
...冷然と笑い続ける三日月の口...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ヤケになった私は将来、私に余裕ができたら、別に愛人を作ってもよいかと、妻に尋ねると、妻は冷然と、(ええ、お金さえ下さればお父さんなんか家にいなくてもいいわ)といった...
田中英光 「野狐」
...安重根 (冷然と)伊藤を殺してしまったような気がして...
林不忘 「安重根」
...表面だけが冷然と落付き払って...
豊島与志雄 「理想の女」
...」女はどこ迄も冷然と答へた...
長與善郎 「青銅の基督」
...冷然と自分を眺めている山下氏の無感動なようすが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それに涙が有ろうが有るまいが死の司は只冷然とそのとぎすました鎌で生の力と争いつつ片はじからなぎ立てるのみが彼の仕事で又楽しい事なのであろう...
宮本百合子 「悲しめる心」
...」むしろ冷然と、舌は偶然に噛(か)み切ったのだ、その心算(つもり)は頭にも抵抗の時にもなかったと、すては、他人事のように言った...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...卑弥呼は石のように冷然として耶馬台(やまと)の王に身をまかせた...
横光利一 「日輪」
...冷然と見くだしているのであった...
吉川英治 「三国志」
...彼のすることを冷然と視(み)ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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