...骨のずいに徹するくらいの冷厳な語調であった...
太宰治 「水仙」
...あの「いただきません」の異様な冷厳が理解できた...
太宰治 「水仙」
...妻は相変らず冷厳な近寄り難い気品を漂わせつつ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...皇室は煩雑にして冷厳なる儀礼的雰囲気の裡(うち)にとざされることによって...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...常に常識的で冷厳であった...
豊島与志雄 「自由人」
...それは精緻、冷厳、鋭利、正確、一言にしていえば「胸のすくような切れた感じ」である...
中井正一 「絵画の不安」
...冷厳なる判断は鋭い力学的構成のもとに摩擦によって白熱する鋼鉄のように...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...焔(も)ゆる冷厳であるであろう...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...この現実の冷厳さの中に本気に立ち直るすべを知ったのであった...
中井正一 「図書館法楽屋話」
...顔立ちばかりは卓越していた父親そっくりであるという自然の冷厳なしきうつしとともに...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第三巻)」
...やっぱりそれは暖く躍る感情のままでは触れてゆけない冷厳な世界のように感じられるであろう...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...冷厳極る流血鬼のようにしか考えられませんでしたが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あんなに冷厳な態度を執(と)って後輩の田舎者である俺を欺弄(かつ)いでおられるかも知れない...
夢野久作 「少女地獄」
...それは冷厳無比な智力に肌をひっ附けているような...
横光利一 「旅愁」
...歴史は非情なほど後人へものを語るに冷厳である...
吉川英治 「随筆 新平家」
...捕縄役人の冷厳な本心が...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...秋冷厳冬の期を迎えても尠(すこ)しも衰えず...
蘭郁二郎 「睡魔」
...冷厳な現実としてのしかかってくる...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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