...この世ならぬ冷厳な孤独の御決意が湛へられてゐるやうな気が致しまして...
太宰治 「右大臣実朝」
...妻は相変らず冷厳な近寄り難い気品を漂わせつつ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...截断的なるきわだてる明瞭、精緻、冷厳、透徹、あたかも機械に見いだす情趣がすなわちそれである...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...この現実の冷厳さの中に本気に立ち直るすべを知ったのであった...
中井正一 「図書館法楽屋話」
...だが冷厳の錬金術...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...あの明哲冷厳なホームズが...
野村胡堂 「探偵小説と音楽」
...海上の空気はにわかに冷厳なものを運んで来た...
本庄陸男 「石狩川」
...冷厳な審判者でもあるように...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...やっぱりそれは暖く躍る感情のままでは触れてゆけない冷厳な世界のように感じられるであろう...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...冷厳極る流血鬼のようにしか考えられませんでしたが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これは実に冷厳な事実でした...
三好十郎 「恐怖の季節」
...光もないような冷厳な...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...如何なる悪党、または如何なる芸術家も及ばない天才的な、自由自在な、可憐な、同時に斃(たお)れて止まぬ意気組を以て、冷厳、酷烈な現実と闘い抜いて来たか...
夢野久作 「少女地獄」
...直木は、彼の後年の実証を挙げて彼の敵に対しての徹底、残忍、冷厳、野性ぶりを憎悪して数えたが、僕は反対に、そこへ武蔵への同情と興味を持つ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...捕縄役人の冷厳な本心が...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...秋冷厳冬の期を迎えても尠(すこ)しも衰えず...
蘭郁二郎 「睡魔」
...冷厳な現実としてのしかかってくる...
和辻哲郎 「藤村の個性」
...ここでは冷厳な現実のために...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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