...検事はどこまでも冷厳な調子で言葉をつづけた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...この世ならぬ冷厳な孤独の御決意が湛へられてゐるやうな気が致しまして...
太宰治 「右大臣実朝」
...近頃ではほとんど近寄り難きまでの冷厳さを示していた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...あの男の明晰冷厳な世界観は...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...焔(も)ゆる冷厳であるであろう...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...この現実の冷厳さの中に本気に立ち直るすべを知ったのであった...
中井正一 「図書館法楽屋話」
...だが冷厳の錬金術...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...冷厳な線と面とが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...あの明哲冷厳なホームズが...
野村胡堂 「探偵小説と音楽」
...顔立ちばかりは卓越していた父親そっくりであるという自然の冷厳なしきうつしとともに...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第三巻)」
...冷厳極る流血鬼のようにしか考えられませんでしたが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...もっと冷厳な、もっと深い関心からだ...
三好十郎 「恐怖の季節」
...それは冷厳無比な智力に肌をひっ附けているような...
横光利一 「旅愁」
...ときには冷厳酷薄(れいげんこくはく)...
吉川英治 「新書太閤記」
...冷厳峻烈(れいげんしゅんれつ)な信長直属の陣中にあっても...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵が敵に対しての残忍なほどの冷厳さと...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...直木は、彼の後年の実証を挙げて彼の敵に対しての徹底、残忍、冷厳、野性ぶりを憎悪して数えたが、僕は反対に、そこへ武蔵への同情と興味を持つ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...冷厳な現実としてのしかかってくる...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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