...戸外の冷やかな夜風が...
石川啄木 「天鵞絨」
...例の通り冷やかさうに鼻で受けて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...お前なんかに、わたしの心持は、分りゃしないのだわ」やっと不二子さんが、冷やかな声で、叱りつけるように言い放った...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...自然は彼にとっては冷やかな非情物ではなく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...専制的な意志と皮肉な冷やかさが潜んでゐる...
辰野隆 「浜尾新先生」
...其処には廷章の女の冷やかな死体が横たわっていた...
田中貢太郎 「竇氏」
...フオレスチャ夫人は冷やかな態度を示しながら...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...客間の冷やかな偏狭な趣味は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...煖炉のなかにただ一個冷やかに春を観ずる体(てい)である...
夏目漱石 「虞美人草」
...眉はもはや、あの冷やかな、少し悪意を帯びた驚きの表情で釣り上げられてはいず、さがって暗くなっているし、黒頭巾で半ば隠された頬は、さっきよりもこけたように見えるし、また厚い唇はすっかり蒼ざめているのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...その本性において悲しい事や罪な事に冷やかではないと知ってほしい...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...滅多(めった)に客観の冷やかな記述が得られない恋愛の歴史であるだけに...
柳田国男 「木綿以前の事」
...おそろしく冷やかな態度を示した...
山本周五郎 「桑の木物語」
...冷やかとも思える声で真名女は云った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...冷やかされたりしました時の辛(つろ)う御座いましたこと……...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...隣の喧嘩を二階から見ている冷やかな面白さもある...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...冷やかに人間と世間と...
横瀬夜雨 「花守」
...鍵穴を埋めた冷やかなものに触れた...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??